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WRX SONY FDR-X3000の内蔵マイク不具合と車載時の音声ノイズについて

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長年、車載動画を撮影していますが、ここ数年はソニーのFDR-X3000(以下、X3000)を使用しています。しかし現在のソニーはアクションカムの製造・販売は終了し、新型モデルの発売も予定されていません。先日このX3000で撮影した所、音声が入っていないという問題が発生してしまいました。また以前から車載して撮影する際は、車両からUSB電源を供給しながら行っていますが、音声にノイズが乗ってしまう事も気になっていました。

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音声が録音されない問題

X3000には外部入力端子(外部マイク端子)があり、外部マイクを接続して使用する事も可能です。私の場合、車載動画を撮影する際は外部マイクを使用してその外部マイクを車外に設置していますが、車内の音声を録音する時には、外部マイクを外してX3000の内蔵マイクで撮影する事もあります。

先日、外部マイクは使用せずに内蔵マイクで撮影した所、動画に音声が入っていませんでした(正確にはジーっとノイズの様な連続音)。しかし改めて外部マイクを接続して撮影すると、外部マイクからの音声は正常に録音されています。・・・この時点で原因は外部入力端子にありそうだと予想しました(※動画をこの記事最下部に掲載しています)。

内蔵マイクで音声が入らない症状を検索した所、SONYの「アジア太平洋地域」向けサイトのサポートに次の記載がありました(※ただしX3000に対する固有の情報ではありません)。

カメラの内蔵マイクを使用して動画に録音された音声に関する問題

録画した動画の音声が途切れたり、小さすぎたり、シューという音やビープ音を含む場合は、マイクジャックに問題がある可能性があります。これをテストするには、内蔵マイクを使用してムービーを録画し、次にカメラの左側にあるジャックに外部マイクを接続してから再度録画します。

外部マイクを使用した場合の音声が良好で、内部マイクを使用した場合でも問題が発生する場合は、カメラを修理に出す必要があります。

SONY「アジア太平洋地域」向けサイトのサポートより、Google翻訳にて翻訳後、引用

今回の症状にピッタリな記載がありました。外部入力端子に問題がある可能性は非常に高そうです。

外部入力端子

X3000の外部入力端子は3.5㎜のステレオミニジャックですが、一般的に音声入出力での内蔵/外部の切り替えは、ジャック内部の接点がプラグを刺す事でON/OFFする機能で行われます。分かりやすく言うと、プラグを刺せばプラグ側に通電、プラグを抜けば内蔵マイク側に通電します。今回の症状は内蔵マイクの音声が入らずに外部マイクでは正常なので、プラグを抜いた時に接点が内蔵マイク側に戻っていないと考えられます。

とは言え、X3000の外部入力端子を覗いても接点の様子までは見えず、まして修正する事も出来ません。外部マイクでは正常なのでこのまま使用し続ける事も出来ますが、やはり内蔵マイクが使えない状態は不便です。

FDR-X3000のカバーを外す

注記

以下の方法はあくまで私個人が行った方法です。カメラの分解は自己責任でお願い致します。分解後は防水(防滴)性能も劣化します。またメーカー・販売店の保証も受けられません。記事内容を参考に行った場合の責任についても一切の責任は負えません。

原因が外部入力端子にある可能性が高いので、X3000のカバーを開けてみる事にしました。

まず底面のSDスロット近くにある、黒いネジを1つ外します。精密ドライバーが必要です。

次にバッテリースペースの端子側にある黒いネジ2つを外します。

ネジ2つを外すと、黒い部品を引き抜く事が出来ます。

黒い部品を外すと、SDスロット部のフタも外せます。

さらにレンズ部の後方を境に、本体カバーを引き抜く事が出来ます。

この時バッテリーのフタも外れますが、後方端子部のフタとバッテリーの固定フックを押すバネはそのままにしておきます(上記黄色枠)。

本体は上記の様になっています。外部入力端子を見るだけであれば、これ以降パーツを外す必要はありません。

外部入力端子は外側基盤から本体内側に向かって付いています。基盤を少しめくれば、以下の様に様子が伺えます。

外部入力端子の接点を見る

端子を良く見ると音声のLとR、GNDの3つがあります。外部マイクのプラグを刺すと一番奥にある接点(L)がプラグ先端に触れて外側に広がり、内部回路の接点との接続が切れる様子です。プラグを抜けば接点は内側に戻るはずですが、これがちゃんと戻らない為に内蔵マイク側に切り替わらないのだと思います。長年使っているので、接点も広がってしまったのでしょう。一番奥の接点を精密ドライバーで少し押し込んで、逆手順で本体カバーを元に戻します。

FDR-X3000のカバーを戻す

戻すときは、バッテリーのフタの接続部を本体カバーに合わせた状態で戻します(上記黄色枠)。

さらにバッテリーの固定フック(青い部品)を寝かした状態でカバーに通します。後方端子部のフタの接続部は本体基盤のすき間に入ります。その後、バッテリーの固定フックを起こしてバネに押される形にします。

カバーを完全に戻したら、SDスロットの蓋を付けた状態にし、黒い部品を元に戻して黒いネジ2つを締め、SDスロット近くの黒いネジ1つを締めて完了です。

確認

その後、撮影テストを行うと無事に内蔵マイクで音声が録音されていました。外部マイクを接続しても同様に音声は録音され、外部マイクを外して再び内蔵マイクにしても問題ありませんでした。これでまたしばらくはX3000を使い続けられそうです(SONYさん、後継の新製品を・・・)。

車載時のノイズ問題

続いて車載時の音声にノイズが乗ってしまう問題です。これは外部入力端子とは全く別問題で、以前から気にはなっていました。具体的には走行中はあまり目立ちませんが、交差点などで停車するとピリピリ・プツプツと一定の間隔でノイズが入ります(スパークプラグのノイズ?)。また不定期にキーンという音も聞こえます。さらに最近、車に付けているUSB電源プラグを買い替えたのですが、これを機にノイズが増えてしまった印象でした。

それ以前にもノイズは少なからずあり、USB電源や外部マイクの配線にフェライトコアを付けて見たり、車からではなくモバイルバッテリーを使用してみたりもしました。結果的にモバイルバッテリーだとノイズも少ないのですが、「ボタンの押し忘れ→カメラの充電切れ」がある事から、多少のノイズは諦める事にして車からのUSB電源で使用していました。古いUSB電源プラグに戻すのも何だか嫌なので、以下の商品を試してみる事にしました。

DC電源用ノイズフィルターを試す

この製品はDC電源用のノイズフィルターで最大DC35V/4A(定格5A時は28V以下)で利用出来ますが、DCアダプターでの使用を想定しているので、接続する電源ラインは5.5mmのDCプラグ・ジャックになっています。

そのDCプラグ・ジャックをそれぞれUSBのオス・メスコネクターに繋ぎ変えました。元の出力側に付いているDCプラグは入力側のDCジャックに繋ぐ為に使います。USBは5VとGNDの電源線2本を繋ぎます。

ちなみにソニーのアクションカムは充電用のUSBケーブルを自作する際、電源となる5VとGNDの2本だけを結線してもUSB接続モード(下記)になってしまい、操作や撮影をする事が出来ません。データ用のD+とD-を短絡する必要があります。また市販のUSBケーブルであっても、この様になってしまう事があります(結線が異なっている)。

確認

早速ノイズフィルターを試してみました。停車中のピリピリ・プツプツが無くなりましたが、逆にキーンというノイズが常に聞こえる状態になってしまいました。残念ながら私の利用環境では期待する効果が得られませんでした(※製品の問題ではなく、あくまで利用環境によるもの)。

やはりモバイルバッテリー

ノイズフィルターの効果は環境によって左右されるので、結局のところ答えがありません。USB電源(5V)ではなく電源ソケットの手前となる、車両側のDC12Vに別のノイズフィルターを付けてみようかとも思いましたが、キリがなさそうなのでやめておきます。やはり効果のあったモバイルバッテリーを使用する方法に変更しようと思います。

現在所有しているモバイルバッテリーは、ソニーがだいぶ以前に販売していた古いものです。モバイルバッテリーを使用しても1日中動画撮影していると、モバイルバッテリー側も充電切れになってしまいます。そこで選んだソニーのモバイルバッテリーはUSBへの電源出力と自身の充電を同時に行える「パススルー充電」に対応しています。車両のUSB電源プラグからモバイルバッテリーを充電しつつ、モバイルバッテリーからカメラにも電源供給する事が出来ます。この場合であってもノイズはかなり軽減されていました。

ただしUSB電源出力の開始はボタンを押す必要があり、カメラ側が満充電になると出力が停止します。撮影開始時にボタンを押し忘れたり、いつの間にか出力が止まってしまいカメラが充電切れで自動停止(音がなって止まる)するまで気付かない事が何度かありました。

新しいモバイルバッテリー

所有するソニーのモバイルバッテリーも古いのでこの際に新しい物を購入しようと、パススルー充電に加えて、ボタン式ではなくUSBを接続したら出力を開始するモバイルバッテリーを探しました。

今やモバイルバッテリーは非常に多くの製品がありますが、詳細な仕様まではなかなか分かりません。上記エレコムのモバイルバッテリーは、LEDライト付きで容量3350mAhと小容量ですが、取説に詳細な記載がありました。LEDライト付きなので、ちょうど車に置いておける事も利点です。また合わせてUSBポートに刺すLED灯も購入しました。

エレコム モバイルバッテリー「DE-M20L-3350BK」の取扱説明書より

取説によるとUSB出力は接続すれば開始し、充電については「まとめて充電」という機能があります。ただしパススルー充電とは異なり、USB出力と自身の充電を交互に行うタイプで、USB出力側と自身の両方が満充電になった後は「USB出力を継続する」とあります。これは私の希望にピッタリな機能です。ただしエレコムの他のモバイルバッテリーでは「まとめて充電」の機能があっても、取説に「USB出力を継続する」が記載されておらず、両方の満充電でUSB出力は停止する仕様の物が多い様です。

接続テスト

早速購入してまずは机上で接続してみましたが、ちゃんとカメラ充電(USB出力)→バッテリー充電(USB停止)→カメラ電源供給(USB出力・カメラ満充電でも)と切り替わりました。

また合わせてLED灯を購入したのは、モバイルバッテリーのUSB出力に二股ケーブルを付けて、片側にLED灯を付ける為です。X3000には充電中に点灯するLEDはありますが、撮影中に電源が供給されているかを確認するには、小さな液晶画面でバッテリー残量ゲージを見るしかありません。LED灯を付けて置けばX3000への電源供給の様子が分かりやすくなります。

ただしLED灯で少なからず電力が消費されるので、カメラが満充電でもモバイルバッテリーへの充電に切り替わらないかもしれません。従って、モバイルバッテリーの残量が「0」となってからモバイルバッテリーへの充電に切り替わった場合、モバイルバッテリーが満充電になる前にカメラ側のバッテリーが無くなってしまう恐れがあります。

確認

実際に新しく購入したモバイルバッテリーを使って動画を撮影してみました。LED灯も付けていましたが、X3000側が満充電になるとモバイルバッテリー側の充電に切り替わり、その後さらにモバイルバッテリー側が満充電になると、X3000側に再び電源が供給されていました。

動画

今回の外部入力端子の故障と、ノイズの問題についての動画を1つにしました。動画では先にノイズの問題を扱っています。

ブログ記事公開後に再び同じ内容(翌年に同じ場所を走行など)の動画を作成・公開している場合があります。記事内の動画もなるべく最新を掲載する様にしていますが、最新や過去・その他の動画を見る場合はYoutubeを見て下さい。