ドライブルート番外13 首都高速道路 その6(埼玉エリアと東京2020大会編)
2021年7月現在、1年延期された東京2020大会が開催されています。各競技会場は無観客となっていますが、都心部の首都高に関しては「ロードプライシング」で日中での利用の際は、利用料金の1000円上乗せが行われています。今回はこの1000円上乗せに関してと、埼玉エリアからの周回についてです。
注記
この記事の内容はETC搭載車かつ普通車を基本にしています。ETC非搭載車(現金車)や軽自動車、二輪車、大型車等では条件や料金は異なります。また記事公開後に条件や料金等が変更になる場合もあるので、記事内容を保証する事は出来ません。実際に首都高を走行する際は、首都高サイトで条件や料金等の確認をして下さい。意図しない料金が発生した等の責任も負う事は出来ません。
※この記事内の金額は記事公開時の金額です。
※東京2020大会(2021年7月~)の開催期間中は、料金の1000円上乗せや交通規制(パンフレットpdf:首都高サイト)が行われる予定になっています。
首都高の周回ルートで、料金が300円(ETC・普通車/通常時)となる条件については上記記事を見て下さい。その他、首都高に関するこのブログ内の記事はこちらから(首都高タグ記事)。
ルートについて(埼玉エリア)
埼玉県の首都高については基本的に外環道(C3)よりも内側の範囲ですが、埼玉大宮線(S5)と埼玉新都心線(S2)も首都高です。埼玉県内を発着として都心部を300円(普通車・ETC)で周回出来る首都高の出入口を、首都高サイトで調べてみると、新都心線(S2)の「さいたま見沼」~「新都心」~「新都心西」、川口線(S1)の「安行」~「新郷」、三郷線(6号)の「八潮」~「八潮南」が該当しそうです。
今回はこの中で新都心線の「さいたま見沼」で入り、「新都心西」を使って都心部を周回してみました。「さいたま見沼」と「新都心西」の間には「新都心」がありますが、この3つの出入口は近いので共に料金は300円です(今回「新都心入口」は東京2020大会で閉鎖中でしたが)。
走行ルートは上記地図ですが、ロードプライシングによる1000円上乗せ検証の為に、神奈川県側からのルート(横浜港北~新横浜)の2ルートも含んでいます。ラインが重なって見難いので、左上の[➡]からルート項目を表示させて、各チェックマークをOFFにすると地図上のライン表示も消えます。
結果
今回の「さいたま見沼~新都心西」のルートでは首都高料金は「1300円」となりました。走行は2021年7月の東京2020大会の開催期間中なので、ロードプライシングによって1000円の上乗せが行われています。したがってこの1000円を無視すれば、300円での周回が出来た事が分かります。実際の走行時のETC車載器の料金案内の様子は、下記動画に収録しています。
動画
今回の動画を先に掲載します。前半が「さいたま見沼」~「新都心西」です。後半は1000円上乗せを検証する為の神奈川県側で、「横浜港北」~「新横浜」(K1横羽線経由)で周回しています。
※後日、神奈川県側のK1横羽線ルートに加え、B湾岸線ルートを含んだ簡易版の動画も作成しました。その動画はこの記事最後に追加しています。
1000円上乗せの条件(東京2020大会ロードプライシング)
ここからは東京2020大会における、ロードプライシングによる1000円上乗せの条件についてです。
※上記は首都高速株式会社「首都高の深夜割引・料金上乗せについて」パンフレットより・加筆加工済み
東京2020大会のロードプライシングでの1000円上乗せは首都高の全域ではなく、上記の様に範囲が決まっていて、範囲内での利用または通過(東名~首都高~常磐道など)で首都高料金は1000円上乗せされます。特に神奈川県側では上乗せ範囲外となる首都高路線も多くあります。
周回の場合の1000円上乗せ
今回試してみたかったのは、上乗せ範囲外となる出入口を使って都心部を周回する場合です。埼玉県側では「さいたま見沼」で入り、都心部を周回してから「新都心西」で出る、神奈川県側では「横浜港北」で入り、都心部を周回してから「新横浜」で出る2つのルートです。
埼玉県側
先に答えを書いてしまっていますが、「さいたま見沼」~「新都心西」では1000円上乗せされました。ただし1300円だったので、通常時であれば300円で周回出来る事も分かりました。
神奈川県側
神奈川県側では首都高の横浜北線(K7)の「横浜港北」~「新横浜」を利用し、横羽線(K1)で都心部に往復しています。当初は埼玉県側と同じく1300円と予想していましたが、結果は300円でした。条件としては埼玉県側と変わらないと思うのですが・・・。
検証
※上記は首都高速株式会社「首都高の深夜割引・料金上乗せについて」パンフレットより・加筆加工済み
パンフレットをよく見ると※1と※2として、埼玉県側では池袋線(5号)の「戸田出口」を過ぎると料金上乗せ、神奈川県側では湾岸線(B)の「湾岸環八出口」を過ぎると料金上乗せとあります。ただし今回通行した横羽線(K1)側にはその記載(上記「?」)がありません。この事から、実はもしかしたら横羽線で往復したら上乗せは無いのでは?という予想も最初にありました。結果的にもその通りになりましたが、疑問も色々残りました。
疑問その1「湾岸線を使ったら?」
※上記は首都高速株式会社「首都高の深夜割引・料金上乗せについて」パンフレットより・加筆加工済み
※2の記載のある、湾岸線を使って都心部と往復したら上乗せされるのか?これは現状試していないので、結果は分かりません。今の所の個人的な想像では、神奈川県側では上乗せ範囲外の路線(K6川崎線まで)でも周回が可能なので、上乗せが行われなかったと考えています。従って湾岸線を使って都心部を周回しても上乗せは無いとも想像します。そうでなければルートによって不公平さが出てしまいます。
また埼玉県側は必ず上乗せ範囲内に進まないと周回して戻れない為、必然的に上乗せされると想像します。
※後日、神奈川県側のK1横羽線ルートに加え、B湾岸線ルートを含んだ簡易版の動画も作成しました。その動画はこの記事最後に追加しています。
疑問その2「他路線の通過は?」
先の※1と※2以外に中央道から新宿線(4号)、東名道から渋谷線(3号)など、他路線には「○○出口を過ぎると上乗せ」の記載がありません。ただしETC車の条件として最初に「赤色の首都高都内区間を通行(通過を含む)」とあるので上乗せは必ず行われるはずです。
疑問その3「そもそも※1 ※2の意味とは?」
では何のために※1と※2の記載があるのか?よくよく考えると上乗せ範囲は首都高の「都内区間」です。埼玉県側では池袋線(5号)の「戸田南」から先で上乗せ範囲となりますが、戸田南の上り(都内方向)には出口がありません。したがって上乗せ範囲を回避するには1つ手前の「戸田」で降りる必要があるので、※1の記載がある。
神奈川県側では湾岸線(B)の「空港中央」から先が上乗せ範囲ですが、空港中央とその1つ手前の「湾岸環八」はすでに東京都なので、※2の記載がある。
※1と※2は上り線の場合で、その他の特に記載の無い路線では、範囲の境として指定されている出入口(赤丸)がちょうど都内に入る前の最終出口、あるいは他路線との接続部である・・・という事かと思います。
疑問その4「ETC路線確認アンテナの存在」
首都高では既に大型車や特大車で「環境ロードプライシング割引」が行われていますが、この中で首都高上にあるETCの「路線確認アンテナ」についての資料があります(PDF資料)。この路線確認アンテナで通行した路線を認識しているとの事ですが、この資料以外にも首都高上には確認アンテナが多数あります。
上乗せ範囲の認識はこれらのアンテナを利用している?とも思いましたが、今回の神奈川県側の横羽線(K1)上り利用時、羽田の先にあるアンテナは反応しませんでした(上記写真・先の動画中にも収録しています)。また通常期の首都高周回で、これらのアンテナがあるので何周もすると料金が加算されるとの話もあるようですが、個人的には現在までに1度も加算された事は無く、また同様に途中にある料金所でも加算された事はありません(首都高管内に限る)。ただし現在の1000円上乗せ範囲への出入りで、これらのアンテナが利用されているのかどうかは不明です。
最後に
今回の埼玉県側で上乗せ有り、神奈川県側で上乗せ無しの違いは、単純に神奈川県側では上乗せ範囲外(神奈川県エリア内)でも首都高の周回が可能な為だと考えています。首都高上の経路確認アンテナを利用すれば、神奈川県側から上乗せ範囲内に入ったかどうかも認識出来そうですが、首都高を周回してもルートや周回数を認識していない事から、今回の上乗せ条件としても利用していないと想像しています。
湾岸線(B)側を実際に走行して確認していないので最終的な結果は分かりませんが、気になって仕方が無いので次に行ってみようかと思っています。その結果はまたこの記事に追記予定です。ただしこの記事の賞味期限はとても短いので(東京2020大会)、ゆえにほとんど需要も無さそうですが・・・。
追加動画
後日、湾岸線(B)側を走行してきましたがやはり300円となり、神奈川県側は上乗せ無しという事がわかりました。