動画編集ソフト VEGAS Pro 21 Build315へのアップデートとMAGIX社の破産情報について
2024年4月8日、動画編集ソフト「VEGAS Pro 21」でアップデート3(Build300)が公開されました。またこれとは別に、現在VEGAS Pro等を開発・販売しているMAGIX社について、少々心配な話題が公式フォーラムにあります。
※2024年5月16日、Build300の問題に対するアップデート(パッチ)「Build314」が公開されています。
※2024年5月23日、Build314に対する緊急パッチとして「Build315」が公開されています。
注記
この記事の内容は私の環境(方法)での場合です。記事内容を元にした作業等を行っても、その通りの結果とならなかったり、他の問題や不具合が発生する場合もあります。実際の作業等は自己責任と自己判断の上で行ってください。
この記事作成時のVEGAS Proのバージョンは「21(Build300)」です。
VEGA Pro 22について 2024年7月4日追記
VEGAS Pro22が「2024年の夏」に発売予定となっていて、公式サイトでは既に現在のVEGAS Pro「21」に「22」の使用権(アップグレード権)を加えた製品が発売されています(公式サイト ※日本語版は無いので注意)。「22」の新機能として「AI自動リフレーミング」と「ビート検出」が先行で紹介されています。また、公式フォーラムでは6月のCOMPUTEXにて、ARM上でVEGAS Pro 22が動作している様子がありました(公式フォーラム)。
「21+22」の販売が2024年7月28日までとなっているので、VEGAS Pro 22は7月29日発売?ソースネクストから販売される日本語版は、例年では公式サイトでの発売開始から約1か月遅れで、9月中旬だったと思いますが。MAGIXの破産等の話もありましたが、とりあえすVEGAS Proは継続される様なので一安心です。
VEGAS Pro 21(Build315)2024年5月23日追記
Build314の公開から約1週間後、Build315が公開されましたが、内容はAMD-GPUのクラッシュに対応するもので、それ以外の改善や修正は無いとの事。実質的にはBuild314の差し替えで、Build314の内容に以下の1点が追加されています(公式フォーラム)。
- AMD GPUでのデコードに関連するクラッシュ問題を修正 (ビルド 315)。
VEGAS Pro 21(Build314)2024年5月16日追記
アップデート「Build314」が公開されました。Build314は通常のアップデートとは異なり、Build300に対するパッチである事が公式フォーラムにて投稿されています。以下、アップデートの内容をGoogle翻訳にて翻訳後、引用して掲載します。なお、Build314では「Deep Learning Models」のアップデートはありません。
改善とバグ修正:
- 分割操作の結果として新しいイベントが作成されるときに、調整イベントのイベントプロパティを正しくコピーします。
- ユーザーがヘルプを開こうとしたときにヘルプが利用できない場合に発生する可能性があるクラッシュを修正しました。
- モノラルオーディオのメディアが適切なレートでオーディオを再生するようになりました。
- High@6のフォーマットプロファイルを持つAVCメディアが期待どおりにインポートされるようになりました。
- HEVC MOVメディアが適切なアスペクト比でインポートされるようになりました。
- MP4コンテナ内のステレオAC-3がオーディオを適切に読み取るようになりました。
- UIが壊れる原因となったリソースリークが修正されました。
- アプリケーションがフォーカスに戻ったときに発生する可能性のあるクラッシュを防止します。
- MXFメディアが正しくデコードされるようになりました。
- HEVC4:2:2 CPUメディアが期待どおりにデコードされるようになりました。
- NVidia GPUでのデコード時のエラーの問題を修正しました。
- メーターを右クリックするとコンテキストメニューが表示されない。
- 調整イベントによるアルファチャンネルの適切な処理。
- 色補正プラグインのキーフレームの連続性の問題を修正しました。
- タイトルとテキストプラグインの属性コピー機能は、複数のフォントが使用されている場合に例外をスローしなくなりました。
- ステレオスコピック3D調整プラグインの自動修正機能でフリーズやクラッシュが発生しなくなりました。
- Canon 600dメディア デコードエラーが修正されました。
- レンダリングされたオーディオが同期しなくなりました。
- 不適切なサムネイルを含むMKVファイルの問題、再生の問題、メモリ使用量の問題を修正しました。
- ビデオキャッシュマネージャー内のクラッシュを修正しました。
- AIアップスケーラーは、スケーリングが1.1~1.25の間の場合に出力を歪めなくなりました。
- VEGASをフォーカスに戻した直後に元に戻す/やり直すと発生する可能性があるクラッシュを修正しました。
- アプリケーションがフォーカスに戻ったときの速度を向上させます。
- AMDのピクセル化の問題を修正。
既知の問題点:
公式フォーラムの内容をGoogle翻訳にて翻訳後、引用
- 最近のAMD Adrenalinドライバーを使用すると、VEGAS EffectsとHitFilmで青と赤の色が入れ替わる場合があります。この問題を回避するには、ドライバーをバージョン23.7.2に戻すことをお勧めします。
- プロジェクトのバージョン管理が増加しました。これは、ビルド300(およびそれ以降のビルド)で作成または保存されたプロジェクトファイルを、VEGAS Pro 21またはVEGAS Pro 20以前の古いビルドでは開くことができないことを意味します。
- 大量のメタデータを含む大量のメディアを含むプロジェクトは、開くのにかなりの時間がかかる場合があります。
- VEGASアプリケーションがフォーカスを失ったときにメディアをアンロードする設定がオフになっているため、複数のアプリケーションで同じメディアを同時に編集している場合に問題が発生する可能性があります。
- 一部の長いGOP MXFファイルでは、NVidia GPUで破損したフレームが表示される場合があります。
「Build300」ではMXF形式の動画ファイルの読み込みに問題があり、特に業務としてVEGAS Proを利用している人には影響が大きかった様子。公式フォーラムの一般スレッドではBuild314によって修正された人や、まだ問題が残っている人も居る様です。動画ファイルの扱いはその形式やPC側の設定、インストールされているエンコーダーにもよる為、一様に修正する事はなかなか難しいのですが…。
私の環境(MP4 H264/AACのみ)においてはBuild300でも特に大きな問題はありません。ただし、かなり以前からある現象ですが、「タイトルおよびテキスト」で動画中に文字を入れる際、半角のアルファベットフォントが「microsoft sans serif」になってしまい、日本語部分とのフォントが異なってしまう点があります。
これを修正するには入力ウィンドウ内の文字を全選択し、一旦別のフォントを選択後、再び希望のフォントを選択します。全選択時は日本語部分に入力カーソールがある状態で「Ctrl+A」で全選択。次にフォントのプルダウンメニュー上にマウスカーソルを合わせてホイールを上下すると簡単です。
しかし、後から「タイトルおよびテキスト」の全てを修正するのは現実的ではありません。従って私は日本語を「microsoft sans serif」に近い「メイリオ」にして、修正はしない事にしています。日本語は他言語とは異なり、全角半角があるので難しい問題でしょうか。
VEGAS Pro 21(Build300)
2024年4月11日追記
今回のアップデート(Build300)は内容が非常に多く、やはりユーザーによっては問題が発生する場合もある様子で、公式フォーラムのこちらのスレッドに報告があります。多く見られる事情として、ファイル読み込み時のピークデータの作成に時間が掛かる事で、設定で「従来のAVCデコードを有効にする」にチェックを入れると改善される模様。
またハードウェアデコーダーのGPU設定が外れていたり、再選択も有効の様子。MXFファイルでの問題はMAIGX側も認識していて、修正ファイルの計画中との事。
VEGAS Proをリセットしたい場合はこちらの方法で。再インストールではリセットにはなりません。以前のバージョンに戻したい場合、日本語版は公式フォーラムのリンク先ではなく、購入元のソースネクストからダウンロード(要ログイン)して下さい。
2024年4月22日追記
VEGAS Proを以前のバージョンに戻しても、プロジェクトファイルを最新バージョンで上書き保存してしまうと、以前のバージョンでは開く事が出来なくなってしまいます。下記にてプロジェクトファイルを以前のバージョンに戻す方法を試してみました。
これまでのVEGAS Pro 21のバージョンはBuild208でしたが、VEGAS Proを起動してメニューのヘルプから「ソフトウェアのアップデートを確認」を選択すると、下記の様に表示されてBuild300へのアップデートが可能になっています。
Build300でのアップデート内容
今回のBuild300では非常に多くの新機能や改善点があります。以下、公式フォーラムに投稿された内容をGoogle翻訳にて翻訳後、引用して掲載します。下記をクリックする事で開きます(非常に長い内容です)。
※なお上記公式フォーラムの投稿内では、Build300用のインストールファイルのリンクも記載されていますが、これは海外版なので日本語版をソースネクストから購入、インストールした場合はアクティベーションが通りません(別ソフト扱い)。新たに日本語版のインストールファイルが必要な場合は、ソースネクストからのダウンロードが必要です。
新機能:
・AIテキストベース編集(ベータ版)
Speech to Text機能を使用して、プロジェクトビデオのトランスクリプトを作成し、そのトランスクリプトを編集することができます (たとえば、テキストのセクションを削除したり、テキストをカットアンドペーストしたりするなど)。VEGASは、それに合わせてタイムライン上のイベントを自動的に編集します。トランスクリプトで行った編集。その逆も可能です。たとえば、タイムライン上のイベントをトリミングすると、VEGAS Proはそれに合わせてトランスクリプトを自動的に編集します。このワークフローにより、編集プロセスが大幅に高速化されます。(将来の完全リリースに向けて改善できるよう、この機能に関するフィードバックをお寄せください。)
・AIスマートマスク2.0プラグイン
このプラグインはAIを使用してビデオ内のオブジェクトを識別し、それらを正確にマスクします。最大8つの個別のマスクを作成し、それらにトラッキングを適用すると、ビデオ内のオブジェクトが動いている場合でも、マスクがそれに追従します。これにより、グリーンスクリーンの前で撮影しなくても背景を置き換えることができます。
・AV1 GPUのサポート
VEGAS ProではAV1のサポートが拡大し続けています。このステップにより、AV1デコードは、AV1デコードをサポートするNvidiaおよびAMDハードウェア上のGPUデコードコーデックを利用します。
・.sfkファイルを管理するための新しい設定
2つの新しい設定により、新しく作成されたSFKファイルを管理できるようになります。 [新しい.sfkファイルを非表示にする] 設定では、Windowsの隠しファイル設定が尊重されるように、新しく作成されたSFKファイルに非表示としてフラグを立てます。[ピークデータを保存する.sfkファイルを作成しない]設定により、VEGASは.sfkファイルを作成できなくなります。
・AVCおよびHEVCファイル用に最適化されたGPU処理
VEGAS Proは、より多くのAVCおよびHEVCファイルのサブバリアントをデコードするために、新しく最適化されたより効率的なパイプラインを採用するようになりました。これにより、タイムラインの再生パフォーマンスが大幅に向上し、フレームレートがより高く、より安定して正確なプレビューが可能になります。
・VEGAS Contentメディアをタイムラインに直接追加できるようになりました
VEGASコンテンツファイルをローカルドライブにダウンロードできる元の[ダウンロード]ボタンに加えて、2つの新しいボタンが追加されました。[プロジェクトメディアに追加]ボタンを使用すると、ファイルをダウンロードし、現在開いているプロジェクトのプロジェクトメディアリストに直接追加できます。[タイムラインに挿入]ボタンもファイルをダウンロードしてプロジェクトメディアリストに追加しますが、さらに、現在開いているプロジェクトのタイムラインにもファイルを追加し、すぐに編集を開始できます。ダウンロードボタンも、ワークフローを高速化するためにデフォルトのファイルタイプを使用するようになりました。最後に、探しているオーディオコンテンツをさらに早く見つけられるように、新しいオーディオホームページが追加されました。
・ユーザーがオフラインヘルプ参照用にVEGASユーザーマニュアルをダウンロードできる新しいメニューオプション
このメニューオプションを使用すると、ユーザーマニュアルをダウンロードできるため、インターネット接続がアクティブでない場合でもアクセスできます。ヘルプコンテンツのハードコピーが必要な場合は、ドキュメントの全体または一部を簡単に印刷することもできます。
・メディアシェア
このウィンドウは、VEGAS Hub Explorerの以前のバージョンのクイックアップロードおよびファイルドロップの操作を1か所に統合します。新しいメディア共有コレクションを作成し、そこにファイルをドラッグするか、モバイルデバイスのカメラでQRコードをスキャンすることで、ファイルをアップロードできます。このウィンドウから、共同編集者がアップロードしたファイルを表示したり、自分のファイルをアップロードするように招待したり、既存のアップロード/ダウンロードアクティビティを管理したりできるリンクを作成できます。
・永久ユーザー向けのVEGAS Hub機能
VEGAS Hubの機能は、サブスクリプション顧客専用ではなくなりました。永続ユーザーは、Text to SpeechおよびSpeech to Text、VEGASコンテンツのダウンロード、メディア共有などの利点を享受できるようになりました。
・HEIC/HEIFのサポート
VEGAS Proには、ネイティブHEIC/HEIFデコーダが含まれるようになりました。これにより、モバイルデバイスで撮影したHEIC/HEIFファイルをVEGAS Proタイムラインに追加し、他のビデオ形式とともに編集できるようになります。
改善とバグ修正:
・パン/クロップウィンドウのマスクモードの通常編集ツールは、正しいカーソルアイコンを使用するようになりました。
・フリーフォームモードでの初期化時にピクチャインピクチャのインタラクションが正しく行われるようになりました。
・一部のファイル形式をデコードするときに発生する可能性のある大きな静的ノイズのバーストを排除しました。
・スマートマスクレンダラーのモーショントラッキングが期待どおりに動作するようになりました。
・レンダリングされたスマートマスクは、プレビューで表示されたものと正確に一致するようになりました。
・オブジェクトが選択されていない場合でもスマートマスクでハイライトされたままになる問題を修正しました。
・スマートマスクの透明度チェックボックスは、スマートマスクUIを閉じて再度開いたときに、チェックされた状態を適切に記憶するようになりました。
・スマートマスクの使用時に発生する可能性のあるクラッシュを修正しました。
・MKVファイルの読み取りに関する問題を修正しました。
・すべてのVSTが[環境設定]ダイアログボックスの[VSTエフェクト]タブに正しく表示されるようになりました。
・一部のVSTエフェクトで重大なパフォーマンス上の問題を引き起こす可能性がある問題を修正しました。
・トラックレベルで適用されたVSTプラグインは、元に戻す/やり直し操作後に完全に再描画されなくなりました。
・VSTプラグインオートメーションUIは、元に戻す/やり直し操作後に適切に更新されるようになりました。
・mxhevcplugプラグインの名前がmxcompoundplugに変更されました。
・新しいプロジェクトの作成時にカラー グレーディングパネルが適切にリセットされるようになりました。
・Intra-4k-PCMファイルが正しく再生されるようになりました。
・カラーグレーディングパネルのサイズ設定の問題を修正。
・調整イベントの改善と修正。
・複数のGPUセットアップの修正。
・一部のブラウザベースのウィンドウを初期化するときに発生するクラッシュを修正。
・WAVESプラグインのパフォーマンス上の問題を引き起こすボトルネックが解決されました。
・デフォルトでは、AVCデコードをmxhevcplugデコーダ経由でルーティングし、その形式に関するいくつかの問題を修正します。
・プロジェクトが保存されていない場合に存在時に発生する可能性があるクラッシュを修正しました。
・オーディオデータの読み取り時に発生する可能性があるクラッシュを修正しました。
・Video FXが新しいオンラインヘルプシステムに適切にルーティングされるようになりました。
・XAVCメディアはデフォルトでmxcompoundplugを通じてデコードされるようになりました。
・OFX Interact Suiteの改善(サードパーティのビデオプラグイン用)。
・スローモーションプラグインによるクラッシュを修正。
・スマートマスクを使用したマスクの作成が正しく機能するようになりました。
・ファイルがmxcompoundplugで適切に動作するようになったため、So4CompoundPlugが非アクティブ化されるのを避けるために、一部のファイル形式のブラックリストを削除しました。
・特定のメディア時間の「開く」ダイアログにメディア情報が正しく表示されない問題は解決されました。
・カラーグレーディングパネルを繰り返し開閉したときに発生する可能性のあるパフォーマンスの低下を解決しました。
・VEGASはHE-AAC SBRオーディオを含むメディアを適切に読み取るようになりました。・Reduce Pointsの値が0.00より大きい場合、スマートマスクトラッキングが適切に機能するようになりました。
・AAC以外の形式のAVCメディアからのオーディオストリームが正しく読み込まれない問題を修正しました。
・AV1のレンダリング統計が適切に表示されるようになりました。
・プレビューズームをバイパスするための新しいショートカットが追加されました。
・更新通知を一般的なNewsFeed設定から分離しました。
・ユーザー設定をリセットするオプションをタスクバーのジャンプリストに追加しました。
・アプリケーションの終了時に発生する可能性のあるクラッシュを修正しました。
・カラーグレーディングパネルを繰り返し開閉してもパフォーマンスに影響を与えなくなりました。
・オーディオ ツールで欠落していたコントロールが再び表示される。
・iZotope RX VSTプラグインの処理の改善。
・JPEGビデオストリームを含むAVIメディアが正しく読み込まれるようになりました。
・一部のビデオ デコーダが適切に閉じられない問題を修正しました。
・BMRAWファイルのサポートを拡張するために最新のBlackMagic RAW SDKに更新されました。
・「名前を付けてレンダリング」ダイアログと「レンダリング進行状況」ダイアログがより効率的に開くようになりました。
・編集の問題を修正しました。
・適切なツールが選択された状態で表示されない編集ツール メニュー。
・Ctrl+Shift+Gで[選択終了]フィールドの値が適切に選択されるようになりました。
・VEGAS Proは、ProResエンコーディングの[レンダリング進行状況]ダイアログにFPSを適切に表示するようになりました。
・互換性のない古いバージョンのOpenCLライブラリがインストールされているマシンの問題を修正しました。
・クレジットロールメディアジェネレーターに関するさまざまな問題を修正しました。
・スマートマスクが32ビットプロジェクトで適切に動作するようになりました。
・一部のMXFファイルの読み込み速度が向上しました。
・VSTスキャナーの警告が誤って表示される問題を修正しました。
・カラーグレーディングパネルは、イベント選択を変更するときにリソースを適切に解放します。
・互換性のないGPUを搭載したマシンでGL Transitionプラグインを使用すると発生する可能性があるクラッシュを修正しました。
・MXFファイルを含む大規模なプロジェクトを開くのにかかる時間を改善しました。
・起動時のUI初期化時に長時間のホワイトアウト画面が発生することがある問題を修正しました。
・モーショントラッキングウィンドウの使用時に発生する可能性のあるクラッシュを修正しました。
・Sony FS7 MXFインポートが期待どおりに機能するようになりました。
・システムリセット後のVEGASの初回起動後に、AC3オーディオを含むメディアが正しくロードされるようになりました。
・「プロジェクトのプロパティ」ダイアログの「詳細」タブに移動しても、プロジェクト設定が破損しなくなりました。
・Mochaを使用するプロジェクトをレンダリングするときに発生する可能性のあるクラッシュを修正しました。
・VEGAS Proは、クラッシュの原因となる可能性のあるスクリプトデータを適切にクリーンアップするようになりました。
・MXFファイルの再生の全体的なパフォーマンスが向上しました。
・32ビットVSTプラグインのスケーリングの問題を修正しました。
・ようこそ画面が開いたときに、最近使用したプロジェクトファイルの1つが見つからないときにエラー メッセージが表示される問題を修正しました。
・環境設定ファイルI/Oタブに、すべてのコントロールがすべての言語で適切に表示されるようになりました。
・BRAWデコードのためのGPUメモリ処理を改善。
・AC-3オーディオを使用したMP4およびMKV HEVCメディアの問題を修正しました。
・出力時に黒いフレームが発生する可能性があるネストされたタイムラインの問題を修正しました。
・32ビットVSTプラグインのパフォーマンスの向上。
・フランス語と日本語の環境設定ダイアログのコントロールの配置を修正しました。
・[キーボードのカスタマイズ]ダイアログを開くときに発生する可能性があるクラッシュを修正しました。
・一部の従来のファイルI/Oプラグインのメモリリークを削除しました。
・VEGAS Proインストーラーは、更新サービスからインストールするときに、必要に応じてユーザーに再起動を適切に求めるようになりました。
・VEGASが以前はインポートできなかった一部のEXRファイルがサポートされるようになりました。
・一部のVSTプラグインと同時にクレジットロールを使用すると発生する可能性のあるハングを修正しました。
・カラーグレーディングパネルのカラーカーブでポイントをドラッグするときに発生する可能性のあるクラッシュを修正しました。
・11フレーム未満のレンダリングで不良フレームが追加されなくなりました。
・一部のメディア形式のメタデータ読み取りの改善。
・Upscaleプラグインを使用するプロジェクト間を切り替えるときに発生する可能性のあるクラッシュを修正しました。
・F1ボタンを使用してヘルプを開くと、ユーザーのブラウザで複数のタブが開かなくなりました。
既知の問題点:
・最近のAMD Adrenalinドライバーを使用すると、VEGAS EffectsとHitFilmで青と赤の色が入れ替わる場合があります。この問題を回避するには、ドライバーをバージョン23.7.2に戻すことをお勧めします。
・プロジェクトのバージョン管理が増加しました。これは、このビルド(およびそれ以降のビルド)で作成または保存されたプロジェクトファイルを、VEGAS Pro 21またはVEGAS Pro 20以前の古いビルドでは開くことができないことを意味します。
公式フォーラムの内容をGoogle翻訳にて翻訳後、引用
この中で大きな物は、Hub機能の永久ライセンスユーザーへの開放と、AIスマートマスクが「2.0」になる事でしょうか。特にこれまでのスマートマスクはあくまでベータ版の扱いで、正直まだまだ実用にはなりませんでしたが、「2.0」で少しは利用出来る様になるでしょうか?
Build300へのアップデート手順
アップデートは「VEGAS Pro 21本体」のアップデートと、「Deep Learning Models」のアップデートがそれぞれ必要です。以下の方法は日本語版をソースネクストから購入した場合でも可能ですが、別途ソースネクストのサイトでログイン後にダウンロード出来るインストール用ファイルも、後日「Build300」が追加されると思います。
VEGAS Pro 21本体のアップデート
先のアップデートの確認で表示されたウィンドウで、「今すぐ更新」をクリックすると、アップデート用のファイル(586MB)がダウンロードされます。ダウンロードの完了後「すぐにインストール」をクリックします。
ダウンロードしたファイルが解凍されます。
インストール画面が表示されます。「標準設定の変更」ではインストール先の変更とデスクトップアイコン作成の有無が選択できます。その後、「同意してインストール」をクリックします。
「別のバージョンがすでにある」と表示されますが、「次」に進んで「インストール」を開始します。
インストール済みのVEGAS Pro 21(~Build208)のアンインストールが先に行われ、その後に新しいVEGAS Pro 21(Build300)がインストールされます。
インストール完了後の初回起動時には、再アクティベーションが必要(ソースネクストではなくMAGIXへの登録)です。通常はシリアルナンバーとメールアドレスはこれまでのデータが既に入力済みとなっているので、「オンラインにて登録/アクティベーション」ボタンをクリックするだけです。
アクティベーションが完了(少し時間が掛かります)すると、VEGAS Pro 21が立ち上がります。
Deep Learning Modelsのアップデート
VEGAS Pro 21本体のアップデート完了後、もう一度メニューのヘルプから「ソフトウェアのアップデートを確認」を選択すると、今度は「Deep Learning Models」のアップデートが可能になっているので、本体と同様にアップデートを行います。
ちなみに、Deep~の方が容量が1GBと大きくなっています。VEGAS Pro 21はDeep~をインストールせずとも使用は可能ですが、AI機能(スマートマスク等)を使用する事が出来なくなります。
Deep~もVEGAS Pro 21本体と同様にアップデートが進み、完了します。
Build300の様子
まず、これまで不評だった起動時のウィンドウ画像が変わっていました(公式フォーラム)。この画像を変更してしまうとファイルの署名が失われる為に、非正規ソフトと判定されてしまうとの事。
Build300から「.sfkファイル」の管理が変わったとの事で、Build208までに作成したプロジェクトを開こうとすると、音声のピークデータの再読み込みが行われます。従ってプロジェクトが開かれるまでに少々時間が掛かりました。※先の追記(2024年4月11日)の「従来のAVCデコードを有効にする」で改善しました。念の為、HEVC側も有効にしています。
今回のアップデートではスマートマスク「2.0」が追加されています。これまでのスマートマスクも残されていますが、正直実用には至らない物でした(あくまでベータ版でしたが)。
スマートマスク2.0ではプレビューウィンドウ内にツールアイコンも表示され、完全ではありませんが、対象としたい物を正しく判定する様になった印象です。公式フォーラムに紹介動画があります。
また今回のアップデートでは「VEGAS Hub」がサブスクリプションユーザーのみではなく、日本国内の様な「永久ライセンスユーザー」にも開放され、VEGAS Hubウィンドウでの表示が可能になっています(ウィンドウが無い場合はメニューの「表示」→「ウィンドウ」→「VEGAS Hub」)。
ログインも可能です。基本的にサブスクリプションユーザーも永久ライセンスユーザーも同様の機能が利用可能となっていますが、まだ試していません。
さらに「Text to Speech」、「Speech to Text」も利用出来る様子で、日本語の選択もあります。また新機能として「AIテキストベース編集」もありますが、こちらもまだ詳細は不明です。そう言えばMAGIXサイトでの海外版の販売も、買い切りとなる「永久ライセンス版」が追加されています。
今回これだけ大規模なアップデートと、VEGAS Pro 22の開発も進んでいるとの投稿もあったので(以下より)、VEGAS Proが無くなる事は無いのだろうと思っています。
2024年4月21日追記
Build300で利用可能となった「Text to Speech」と「Speech to Text」を実際に試してみました。
MAGIX社の破産情報について
注記
ここに記載する内容は、全て公式フォーラム(こちらとこちら)に投稿された内容を元にしています。MAGIX社からの正式発表ではありません。また公式フォーラムの投稿も、あくまで各個人が投稿しています。
MAGIXが破産申請?
先日(2024年3月)、公式フォーラムにMAGIXの破産申請についての投稿がありました。ただし破産ではなく自主管理、そして事業再編の為の新たな売却先を探していて、それは既に完了したとも。VEGAS Proについては現在のバージョン「21」のアップデート、及び新しい「22」の開発は継続しているといった内容もあります(以下に追記)。
今後
MAGIXが「破産申請した」と伝えるサイト記事によれば、今後MAGIXは「VEGASに注力したいと考えている、(中略)すでに計画されているリリースは予定通り実施されると同社は述べた」とあります。
中の人?(追記)
公式フォーラムの「VEGASDerek」さんは、MAGIX内部の方の様子。その方が公式フォーラムのこちらのスレッド内で
VEGASDerek は 2024 年 3 月 16 日、午前 2 時 22 分に書きました
MAGIX全体で何が起こっているのかについては詳しく説明しませんが、fr0sty の言っていることを確認すると、VEGASチームは現在、確かに支障なく作業しており、今後のアップデートで将来に対する不安は解消されるはずだと私は信じています。ラスベガスの。これは、ユーザーがVP 20からVP 21の最初のリリースに移行するときよりも大きな開発のステップとなる可能性があります。これは、これまでにリリースされたリリースサイクルの中で最大のアップデートであることは間違いありません。
そして、VEGAS Pro 22についても、すでに開発が始まっています。
MAIGX公式フォーラムより、Google翻訳にて翻訳後引用
と言われています。また投稿内に出て来た「fr0sty」さんはプロフィールを見る限りはMAGIXとの関連は分かりませんが、
fr0sty は 2024 年 3 月 15 日、午後 11 時 54 分に書きました
心配することはありません。再構築はほぼ完了しており、VEGASは素晴らしい成果を上げています。新しいバージョンはまだ開発中です。チームは全速力で前進しています…Magixが製品提供を合理化するためにずっと前に起こる必要があったことのほんの一部です。そして、消費者にとって混乱をはるかに軽減することが行われています。VEGASは現在、Magixが提供する中心的な製品でもあり、すべての製品の中で最も多くの支持を得ています。これらの変更のいくつかがエンドユーザーにとって何を意味するかが気に入っていただけるでしょう。
MAIGX公式フォーラムより、Google翻訳にて翻訳後引用
と、何かしらMAIGXに関しての情報を持たれている様子。さらに、
fr0sty は 2024 年 3 月 16 日、午後 1 時 34 分に書きました
彼らは破産を申請しておらず、会社は再建中であり、新たな投資家と話をしている。再編プロセスはほぼ完了した。彼らは、VEGASを含め、新しいアップデートと現在開発中のバージョンを備えたすべての製品を引き続き提供する予定です。心配することはありません。
MAIGX公式フォーラムより、Google翻訳にて翻訳後引用
とも。※いずれも、あくまで個人の方の投稿です。
ただし、公式フォーラム内でも意外なほどスレッドは伸びず、VEGAS Proに関して心配している人は少ない模様…?海外の方が業務で使用している人も多いかと思うのですが。
その他
VEGAS Proは元々「Sony Creative Software」が開発・販売していた製品で、2016年に現在のMAGIXに売却されています。VEGAS Proのバージョンで言うと「13」の頃です。当時のVEGAS Proは業務向けとして国内では通常盤が10万円、乗り換えでも8万円という高価なアプリでした(当時のimpress記事)。
個人的にはVegas Proを初めて購入したのは「9」です。「9」の頃の国内代理店はまだフックアップという会社でした。最初は下位版の「Movie Studio 9」を購入し、Movie Studioの直感的な操作性が気に入り、またアメリカのSONYサイトであれば、「Movie~」からのアップグレード価格が4~5万円、かつ日本語版もあった事からProの「9」を購入したと記憶しています。また引き続きSONYサイトで「10」~「12」をアップデート価格で購入(1~2万円?)しましたが、その後しばらくアップデートはしていませんでした。MAGIXとなった「18」を、現在の国内での代理店であるソースネクストから購入。以降「19」~「21」にアップデート、現在に至ります。
Sony Creative Softwareでは現在でもユーザー登録したアカウントは有効で、購入した製品も確認出来ます。インストールファイルのダウンロードも可能ですが、MAGIXにリンクされています。
今回はVEGASブランド製品が売却されたのではなく、MAGIXの会社そのものの話なので少々心配なのですが、先の公式フォーラムに投稿された内容もあるので、製品としてのVEGAS Pro自体は大丈夫かとも思っています。ただし最近はAdobeとの差や、新しい動画編集ソフトの台頭もあり、VEGAS Proの物足りなさも感じています。一番の問題は、これだけ使い続けているVEGAS Proなのに一向に身に付いていない私個人の技術ですが…。
注記(スクリーンショットについて)
掲載しているVEGAS Proの製品画面:©2003-2024 MAGIX Software GmbH.
その他の各ブランドやロゴ・製品名等は各製造者の登録商標です。