動画編集ソフト 日本語版 VEGAS Pro 22の購入とインストール・アクティベーション・データ移行について
2024年9月27日にVEGAS Pro 22の日本語版が、ソースネクストから発売されました。今回の「22」は本家MAGIXサイトでの発売から約2か月遅れと少し間が開きましたが、MAGIX側での発売時のBuildバージョン「93」では、レンダリング時のメモリーリークの不具合が報告されていたことから、その対策を行ったBuildバージョン「122」の公開を待っていたと、勝手に想像しています。
また今回の「22」から、VEGAS Proの「POST」が無くなり、VEGAS Pro(旧:EDIT)とVEGAS Pro Suiteの2種類になっています。これまでPostに含まれていた「VEGAS Effects」と「VEGAS Image」も無くなっています。※これまでの「VEGAS Effects」と「VEGAS Image」は、旧バージョンをアンインストールしなければ引き続き利用可能との事ですが、VEGAS Pro 22本体との連携は出来ない模様です(公式フォーラム)。
今回もソースネクストから「VEGAS Pro」を購入しましたが、インストールファイルのダウンロード方法がこれまでと若干異なっていました。少々面倒に…。
新機能について
新機能については前回の記事を見て下さい。
またVEGAS Pro 21の発売当初までは「サブスクリプション版」のみの機能だった「Hub機能」は、21のBuildアップデートで永久ライセンス版(買い切り)にも開放されています。
ただしHub機能には利用制限があり、ソースネクストのVEGAS Pro 22 機能比較に記載されています。
また最近はAI機能もより重視されたアプリになっているので、動作環境の確認も重要です。
ソースネクストからの購入
発売時のソースネクストでの標準価格は、VEGAS Proが\29,800、VEGAS Pro Suiteが\38,500。発売に合わせて、10月10日までは53%引きでそれぞれ\13,800、\23,800のセール価格に加え、旧製品ユーザー(登録者)は\12,800、\19,800になっています。販売形式は永久ライセンス版となる買い切りのみです。
MAGIXサイトの場合
ちなみにMAGIXサイト側ではサイトの言語設定を日本語にすると、「サブスクリプション版」が購入可能になっていて、そのサブスクリプション版をカートに入れると、製品詳細に「日本語」と表示されます。
しかし、他言語にはある永久ライセンス版の選択はありません。言語設定を英語にして永久ライセンス版をカートに入れると、製品詳細では日本語は含まれていません(4か国のみ)。
※MAGIXサイト側のサブスクリプション版について、本当に「日本語版」が利用可能なのかは、正確には不明です。購入の際はMAGIXのサポートに問い合わせる事をお勧めします。
インストールファイルのダウンロード
ソースネクストで購入後、インストールファイルのダウンロードが可能になります(上記、MAGIX.exe:約14MB・圧縮ファイル)。これまでは「ソースネクストのアップデート用アプリ」と「VEGAS Pro用のインストールファイル」が含まれていましたが、「22」からは「VEGAS Pro用のインストールファイル」は購入後にソースネクストからメールで送られてくる「クーポンコード」で、さらに別途のダウンロードが必要になりました(後述)。
…結局2回も「インストール用ファイル」のダウンロードが必要なので、混乱してしまいます。
まずMAGIX.exeをダブルクリックして解凍すると、上記のファイルとなります。通常は「インストールする.exe」を実行して「ソースネクストのアップデート用アプリ」からインストールしますが、このアプリはVEGAS Proの利用に必須ではありません。私は余計なアプリは常駐させたくないのでインストールしませんでしたが、以下の方法はソースネクストが案内する方法ではありません(自己責任にて)。通常はソースネクストの案内する方法で行って下さい。
MAGIX\program\Setupに「download.html」があるので、これをWebブラウザで開きます。ソースネクストのアップデート用アプリをインストールした場合は、そのインストール完了後に自動でWebブラウザが開く様です。
※1
MAGIXサイトが開くので、MAGIXのアカウントでログインします。MAGIXアカウントが無い場合は新規に作成しますが、ここでのアカウントはソースネクストサイトのアカウントとは別の物です。ログインしてソースネクストから送信された「クーポンコード」の入力を行うと、今度はMAGIXからVEGAS Proのシリアル番号とインストールファイル(約6MB)へのリンクがメールで届きます。メール内のリンクからVEGAS Pro 22のインストールファイルをダウンロードします。
VEGAS Pro 22のインストール
永久ライセンスのVEGAS Proはバージョン毎にシリアルナンバーが異なるので、同一PC内に同時にインストールしておく事が可能です。新しいバージョンの発売直後では不具合が発生する可能性もあるので、私は1つ前のバージョンを常に残しています。ただし新しいバージョンで古いプロジェクトファイルを開き、そのまま上書き保存してしまうと古いバージョンで再び開けなくなってしまうので、プロジェクトファイルのコピーあるいは別名保存をお勧めします。
ダウンロードしたVEGAS Pro 22のインストールファイルを実行すると、本体ファイルとAI用ディープラーニングモデルのダウンロードが行われます(Suiteの場合は他にもアリ)。本体が約580MB弱に対してモデルが約1.5GBあります。
ダウンロードが完了すると自動でファイルが展開され、VEGAS Pro本体のインストールから始まります。「標準設定の変更」でインストール先とデスクトップアイコンの作成有無が設定出来ます。
VEGAS Pro本体のインストールが完了しました。
続いて、ディープラーニングモデルのインストールが始まります。モデルには言語設定がありますが、特に言語で影響が出る物では無いと思います。
インストールを進めます。
ディープラーニングモデルのインストールが完了しました。
デスクトップアイコンを作成すると上記のアイコンが表示されます。毎回、微妙に変わっています。
※VEGAS Pro Suiteの場合は、引き続きMocha VEGAS等のアプリのインストールが行われます。
アクティベーション
インストールされたVEGAS Pro 22を立ち上げると、上記のウィンドウが表示されます。既に過去のVEGAS Proがインストールされている場合は、そのアクティベーションに利用したメールアドレスが入力されています。これは通常、※1で既に所有しているMAGIXアカウントと同じ物だと思います。また新規の場合も※1で作成したアカウントを使用する形になります。
シリアル番号はMAGIXから届いたメール内にある、「P」から始まる番号です。「P」を含めてコピペすれば、自動で「P」は省略されます。※ここでのメールアドレスやシリアル番号はソースネクストサイトとは別の物です。VEGAS Pro購入時にソースネクストからのメール内に、ソースネクスト用のシリアル番号もあるので、注意して下さい。
シリアル番号とメールアドレスを入力後、「オンラインにて登録/アクティベーション」ボタンをクリックします。再びMAGIXサイトへのログインウィンドウが表示されるので、入力したメールアドレス(※1と同じ)のアカウントでログインします。決して新規に作成しない様に。
上記ウィンドウが開くので、必要事項を入力して製品登録を行います。
その後少し時間が掛かりますが、アクティベーションが完了してVEGAS Pro 22が立ち上がります。
MAGIXサイトでの確認
登録後にMAGIXのサービスサイトにログインすると、登録済みの製品が確認出来ます。
VEGAS Pro 21までは、MAGIXサイトから日本語版のインストールファイルやマニュアルはダウンロード出来ませんでしたが(ソースネクストからダウンロード)、今回の22からは初回インストールファイルもMAGIXからダウンロードした事から、上記bより可能になった様子です。また上記aをクリックすると、
インストール(アクティベーション登録)を行ったPCの情報が確認出来ます。VEGAS Proは2台までのPCにインストール、使用が可能になっています(上記bが2台目)。登録を解除したい場合は上記aから行いますが、VEGAS Pro 22のメニュー上からも可能です。
データの移行
各種設定
旧バージョンのオプションから設定のエクスポートを行い、新バージョンでインポートを行います。ただし、全ての設定を移行する事は出来ないので、個別に行う必要もあります。
キー設定
標準以外のショートカットを設定している場合は、Windowsのユーザーフォルダー内にあるファイル(要:隠しファイルの表示設定)を、旧から新へコピーします。コピー後はVEGAS Proの再起動が必要です。
スクリプト
スクリプトはVEGAS Proをインストールしたフォルダー内にあるので、旧から新にコピーします。追加後はVEGAS Pro上で再スキャン出来ます(再起動でも可)。
ウィンドウレイアウト
ウィンドウレイアウトは旧バージョン側で「レイアウトに名前を付けて保存」後、新バージョンの「レイアウトの整理」から読み込みます。
その他、ツールバーの設定は初めからやり直しました。レンダリング設定は特に作業はせずとも新バージョンでも反映されていました。
VEGAS Pro 22の様子
再設定を行ってからのVEGAS Pro 22です。見た目上では21から全く変化はありません。
AIスマートマスク2.0は22の体験版では「高」精度は処理が重く、「低」精度ではマスク判定が少々甘かったのですが、製品版では処理が軽くなり、「低」精度でもマスクがちゃんと判定されるようになりました。ようやくAIスマートマスクが実用になった印象です。
その他、ビート検出やテンポ検出などの新機能もありますが、こちらはほとんど利用する事は無いので、試してもいません。他メーカーの動画編集アプリではより高性能なAI機能もありますが、あまり重いアプリになったり、作業が煩雑になってしまいそうな気もします。
なお、先にも記載しましたが、旧バージョンのプロジェクトファイルを新バージョンで上書き保存してしまうと、再び旧バージョンでは開く事が出来なくなってしまいます。非常手段としては下記を見て下さい。
気が付いた不具合点(Build122にて)
モーショントラッキングで範囲を指定して自動解析を行うと、21までは範囲を再調整して自動解析をやり直せるのに、22では範囲の再調整が出来ません。正確には範囲や四隅のポイントをドラッグして動かしても、元の位置に戻ってしまいます。また、21と22で同じ動画・同じ範囲で解析しても、追跡結果が異なる事もあります。公式フォーラムではモーショントラッキングがフリーズしてしまう報告があり、既知の問題としても認識されている様です。
また同様に公式フォーラム上では、Windows11でのWindowsUpdate後に、VEGAS Pro 22が起動しない事も報告されています(一応、回避策はある模様)。引き続き、MAGIXからのアップデートも期待するところです。
注記(スクリーンショットについて)
掲載しているVEGAS Proの製品画面:©2003-2024 MAGIX Software GmbH.
その他の各ブランドやロゴ・製品名等は各製造者の登録商標です。