WRX micro:bitを車両で使う その3 micro:bitの仕様と購入したブレイクアウトボード
micro:bit本体には2個の押しボタンスイッチと25個のLED、無線や様々なセンサーも搭載されています。教育用としては必要十分で価格も安くなっているので素晴らしい物ですが、実際に何か作ってみようと思うと簡単に利用出来る入出力端子が少ないので(0、1、2、3V、GND)、なかなか難しい事にも気が付きます。ただしそれらを補う事の出来るパーツも色々あり、今回micro:bitの購入と同時に機能を拡張させる「ブレイクアウトボード(モジュール)」も合わせて購入しました。
micro:bitの仕様
まずはmicro:bit本体の仕様を確認します。搭載されている機能については上記micro:bitサイトに記載されていますが、センサーは方位や加速度の他、LEDとメインプロセッサーからそれぞれ明るさと温度も取得出来ます。これらはハード的な事は全く意識する必要は無く、Microsot MakeCodeで用意されているブロックでプログラムを組むだけで利用出来ます。また入出力端子についてはこちらにさらに詳しく記載があります。
micro:bitの入出力端子は大きくプリントされている「0、1、2、3V、GND」を含めて全部で25ピンありますが、同じピンで入力と出力の機能のどちらも使用する事が出来る様になっています。また中にはアナログ入力も可能なピンもあり、プログラムによってそれらの機能を使い分けます。ただしプログラムや配線を間違えるとmicro:bit本体や入出力端子に繋いだ機器を破損させてしまう恐れもあります。このブログで私が利用しているFA用のPLCでは入力と出力の端子は明確に分かれているのですが、micro:bitの入出力端子の仕様を見た時は少し驚きました。
※2020年11月より、micro:bitの新バージョン(v2.0)が発売になっています。新バージョンではmicro:bit本体にマイクとスピーカーが追加されています。詳しくは別記事で書いています。
ブレイクアウトボード
micro:bitと同時に購入した2つのブレイクアウトボードは、それぞれmicro:bit上の入出力を取り出す事の出来る「IOブレイクアウトボード」と、4つの出力リレー(1a1b)を持った「リレーブレイクアウトボード」です(購入はどちらもAmazonからです)。その他、micro:bitには搭載されない機能などもブレイクアウトボードに接続する事で拡張、利用する事が可能です。注意点としては入出力端子の中にはmicro:bit本体のスイッチ及びLED等と共通で使用されている物もあるので、ブレイクアウトボードによってはプログラム上で本体側の機能を無効とする必要があります。
IOブレイクアウトボード
micro:bit本体の「0、1、2、3V、GND」端子にはワニ口クリップを挟んでスイッチ等が接続出来ますが、その他の端子は幅が狭いのでワニ口クリップを挟む事は出来ません。IOブレイクアウトボードはこの幅の細い端子を使用出来る様にする為のボードで、基板上にジャンパケーブル用のピンが並んでいます。別途「0、1、2、3V、GND」の端子プリントもあります。
ボードにはUSB端子(MicroB)があり、ここから電源を供給してスイッチを入れる事でmicro:bit本体への電源供給と5Vを必要とする機器の利用が可能になります。このボードのUSB端子から電源を供給しない場合は、micro:bit本体側から電源が供給され、3Vのみの機器で動作します。またブザー(P0との切り替えスイッチ付き)とスピーカー接続用の3.5mmジャックも用意されています。仕様や利用方法が先のメーカーサイトで詳しく記載されている点も良いと感じます。
※こちらの製品にはバージョンがあり、現在の物は「V2.0」です。古いバージョンではUSBによる電源供給は無く、Micro:bit本体からの3V電源を昇圧させて5Vを得ていた様です。
リレーブレイクアウトボード
上記写真はmicro:bit本体も接続しています。
リレーブレイクアウトボードは接点容量「AC120V-3A・DC24V-3A」のリレー(1a1b)が4つ搭載されています。それぞれCOMとNC、NO端子があるので常時開と閉が選択出来ます。操作コイルはmicro:bit本体のP3、P4、P6、P7にそれぞれ接続されていますが、micro:bit本体ではP3等はLEDと共通になっているので、リレーを制御する場合は先の通りmicro:bit本体のLEDを無効にする必要があります。
Microsot MakeCodeではLEDの「その他」の中で、「LED表示を有効にする」のブロックで「偽」を選択する事で、micro:bit本体のLEDが無効になります。
またリレーの駆動に5V電源の入力が別途必要ですが、この5V電源でmicro:bit本体への電源供給も行われます。ただし4つのリレー以外に接続が出来る端子等は無いので、このボードの用途は限定的かもしれません。私の場合は車両での利用を想定していて、車両への信号や12V電源のON/OFFを行う為にリレーが必要になっています。またこちらの製品もメーカーのwikiページで仕様等が公開されています。
電源モジュール
IOブレイクアウトボードではジャンパケーブルを使って配線を行う事になります。またリレーブレイクアウトボードでは別途5V電源も必要なので、電源モジュールとセット品になっているブレッドボードも購入しました。製品名で「for arduino」となっていますが専用品という訳ではありません。ジャンパケーブルも付属していますがメスタイプは含まれていないので、IOブレイクアウトボード用には別途必要になります。
電源モジュールはUSBまたは電源アダプター用のコネクター(DC6.5~12V)で入力し、基板上のジャンパスイッチで5Vと3.3Vの出力切替が可能です。基盤下にもジャンパピンが出ているので、ブレッドボードに直接刺す事も出来ます。
価格についてはAmazonにてIOブレイクアウトボード、リレーブレイクアウトボードはどちらも1000円程度、ブレッドボードは1250円でした。電源モジュールは同じ様な物が1個100円、5個セットで800円などでも販売されていますが、私の場合はブレッドボードも必要で結果的にもセット品の方が得でした。Micro:bit本体も1つ2200円程ですが、ArduinoやRaspberry Piも同様に安いので色々と一緒に買ってしまおうかと迷ってしまいました。
その他
リレー等を利用する方法としてはそれらを単体(リレー1個)で購入して、micro:bit本体やIOブレイクアウトボード、電源に個別に配線する方法もあります。今回のリレーブレイクアウトボードではその他の端子が使えなくなりますが、micro:bitには無線機能が最初から搭載されているので、プログラムで入力機能と出力機能を別々のmicro:bitに持たせ、無線で互いにやり取りを行う事で機能を補う事も可能です。その為もあって今回はmicro:bit本体を2台購入しています。
そろそろ実際に何かプログラムを組んでみたいと思います。
micro:bit 新バージョン「2.0」について
2020年11月25日より、Micro:bit本体の新バージョン「2.0」が発売になっています。従ってこれまでの古いmicro:bitを使用した記事(~その24)と新しいmicro:bitでは記事内容に相違がある場合があります。ただしこれまでのプログラムは基本的には新しいmicro:bitでも動作し、古いmicro:bitも引き続き使用する事が可能です(ハード的に新たに追加された機能は、拡張ボード等が必要ですが)。
なお新しいmicro:bitについては実際に1つ購入し、micro:bit関連記事「その25」から扱っています。
2022年4月追記
2021年12月にmicro:bit本体のバージョンが「2.2」になるとのアナウンスがありましたが、「2.0」との機能上の違いは無いとされています。
「micro:bit」関連記事
以下は「micro:bit」タグの記事一覧です(投稿順)。現在の記事とこれ以降に投稿した記事も含みます。「その24」までの記事ではmicro:bit本体のバージョン「1.5」を使用しています。
クリックで開きます
- WRX micro:bitを車両で使う その1 micro:bitの購入
- WRX micro:bitを車両で使う その2 Microsot MakeCodeとスマホ用アプリ
- WRX micro:bitを車両で使う その3 micro:bitの仕様と購入したブレイクアウトボード
- WRX micro:bitを車両で使う その4 本体ファームウェアの更新とWebUSB
- WRX micro:bitを車両で使う その5 無線機能の利用
- WRX micro:bitを車両で使う その6 方位センサーの利用
- WRX micro:bitを車両で使う その7 加速度センサーの利用
- WRX micro:bitを車両で使う その8 micro:bitからSIドライブのモード切替
- WRX micro:bitを車両で使う その9 サーボモーターの利用(準備編)
- WRX micro:bitを車両で使う その10 サーボモーターの利用(動作編)
- WRX micro:bitを車両で使う その11 可動式雲台を作る(2軸編)
- WRX micro:bitを車両で使う その12 可動式雲台を作る(1軸編)
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- WRX micro:bitを車両で使う その14 Bluetoothでスマホから操作(データ受信)を行う
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- WRX micro:bitを車両で使う その16 シリアル通信(RS232C)を行う
- WRX micro:bitを車両で使う その17 光センサーと温度センサーの利用
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- WRX micro:bitを車両で使う その20 アスキーコード16進数から数値10進数への変換
- WRX micro:bitを車両で使う その21 車両からエンジン回転数を得る
- WRX micro:bitを車両で使う その22 7セグメントLEDの利用(TM1637ドライバ)
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- WRX micro:bitを車両で使う その24 ステッピングモーターを制御する(ULN2003ドライバ)
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- WRX micro:bitを車両で使う その27 バージョン2.0の初期状態と追加された機能
- WRX micro:bitを車両で使う その28 新バージョン(v2.0)のI2C通信
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- WRX micro:bitを車両で使う その30 環境モニターを作る(二酸化炭素・有機化合物編)
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- WRX micro:bitを車両で使う その38 mp3音声ファイルの再生(DFPlayer Mini)
- WRX micro:bitを車両で使う その39 車速パルス信号から速度を計算する
- WRX micro:bitを車両で使う その40 フルカラーLED(WS2812B)でメーターを作る
- WRX micro:bitを車両で使う その41 フルカラーLEDマトリックス(WS2812B)で時計を作る
- WRX micro:bitを車両で使う その42 フルカラーLEDマトリックス(WS2812B)でピクセルアートアニメーションを作る
「micro:bit+プラレール」も始めました。
その他
FA用PLCとELM327を使用した「OBD2」関連の記事は以下の記事から始まります。
注記
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- 記事内で紹介している製品や、その他の類似製品を購入・利用する場合はそのメーカーや購入先で仕様等を確認し、自己判断と自己責任の下で利用して下さい。
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