動画編集ソフト VEGAS Pro 23の新機能と体験版(海外版)

2025年9月9日、MAGIXの公式サイトでVEGAS Pro 23が発売されました。日本語版についてはこれまで、販売代理店となるソースネクストから発売されていますが、過去のこれまででは1~2ヶ月遅れなので、日本語版は10月になってからでしょうか。体験版については日本語版は無く、MAGIXの公式サイトでドイツ語・英語・フランス語・スペイン語・ポルトガル語の5か国のみの言語でダウンロード出来ます。
※この記事ではソースネクストから発売される「日本語版」については記載していません。日本語版の発売後には、別記事で書く予定です。
VEGAS Pro 23の新機能・改善点一覧
発売直後のVEGAS Pro 23のBuildは「278」と、これまでよりもかなり進んでいます。今回は大きな変更点がある様子に加え、事前にベータテスターの募集もあったので、発売前から更新が色々あったと想像します。
なおVEGAS Pro 23では、これまでSuite版に含まれていた「Mocha Vegas」が無くなっています。23のSuite版は無印版に「SOUND FORGE Pro」と「ACID Pro」、その他エフェクト等が加えられた形ですが、何だかSuite版のお得感はもはや無くなった印象です。「Mocha Pro」は引き続きVEGAS Pro 23でサポートするとの事(公式フォーラム)。またVEGAS Pro 23では新たに「ARMデバイス」向けのファイルも公開されています(日本語版もリリースされるかは不明)。
以下、公式フォーラムに投稿された内容をGoogle翻訳にて翻訳後、引用して掲載します。内容が多いので下記をクリックして開いてください。
VEGAS Pro 23 の新機能
- Vegas コアエンジン 1.0
- 新しいVEGAS Core Engineは最先端のテクノロジをVEGAS Proにもたらし、効率的なビデオ再生とレンダリング、およびビデオ効果を処理するための新しいパイプラインを提供します。
- 新しいカラーグレーディングワークフロー
- VEGAS Proのカラーグレーディングワークフローは、より直感的で効率的かつ柔軟なワークフローを実現するために完全に再設計されました。VEGAS Proのカラーグレーディングエンジンは、処理速度の大幅な向上と効率的な再生を実現するために書き換えられました。
- 試用版の使用方法の変更
- VEGAS Proの30日間トライアルでは、プロジェクトの長さによる制限がなくなりました。また、30日間トライアル期間中は、音声合成機能と音声テキスト変換機能を限定的にご利用いただけます。
- タイムラインベースのイベントおよびトラック OFX キーフレーム アニメーション (ベータ版)
- ユーザーは、「表示」メニューのオプションをオンにすることで、タイムライン上で直接イベントトラックのビデオエフェクトのキーフレームを作成・編集できます。これにより、ビデオエフェクトをアニメーション化するワークフローが高速化されます。
- モバイルフォーマットで利用可能なカメラLUTオプション
- ほとんどのモバイルデバイスで生成されたメディア向けに新しいLUTオプションが追加されました。
- 65ポイントLUTエクスポート
- VEGAS Proでは、65ポイントのLUTをエクスポートできるようになり、最も正確で詳細なカラー変換を備えたルックアップ テーブルが提供されます。
- 新しいドッキング領域
- VEGAS Proのメインユーザーインターフェースウィンドウに、メインタイムラインの左、右、下にウィンドウをドッキングする新しいオプションが追加されました。これにより、ユーザーはプロジェクトのニーズに最適なUIレイアウトを実現できます。
- ビデオエフェクトパッケージ管理
- ビデオエフェクトパッケージは、ユーザーにさらなる柔軟性を提供するために再設計され、複数のトラック、イベント、さらにはプロジェクト間で繰り返し使用できるビデオエフェクトのチェーンを保存できるようになりました。
- レンダリングダイアログボックスの再設計
- レンダリングダイアログが根本から再構築され、フィルタリングオプションと並べ替え機能が向上し、最もよく使用するレンダリングテンプレートをより簡単に見つけられるようになりました。
- レンダリングが完了したらコンピュータをシャットダウンします
- レンダリングの進行状況ダイアログにオプションが追加され、レンダリングが完了したらユーザーがコンピューターをシャットダウンできるようになりました。
- 最新のイコライザーオーディオプラグイン
- タイムラインと再生の直感的なデフォルト
- タイムライン編集をより快適に、多くのユーザーのニーズに応えるため、ユーザーからのご要望にお応えして、いくつかの小さな変更を行いました。これらの変更には、再生の開始と停止にスペースバーを使用する際のデフォルトの動作の変更、再生ヘッドのドラッグ時の自由移動、タイムライン上のイベント選択時にタイムラインカーソルを移動させないオプションなどが含まれます。
- ビデオエフェクト、メディアジェネレーター、トランジション選択のUIを改善しました
- FX ウィンドウで新しい並べ替えおよび表示オプションが利用できるようになりました。これにより、ユーザーはプロジェクトで使用したい特定のエフェクトを簡単に見つけることができます。
- ベガスキャプチャー2
- VEGAS Captureは根本から書き直され、ユーザーはコンピューターの画面やカメラからビデオやオーディオをキャプチャし、そのメディアをVegasに直接インポートして編集できるようになりました。
修正/改善
- ファイルI/Oサロゲートが書き直され、エラー処理が改善されました。
- 更新されたスマートマスク2.0モデル。
- GPUアクセラレーションが無効になっている場合でも、Blackmagic RAWファイルは正しい色でデコードされるようになりました。
- AV1エンコーディングの改善。
- イベント属性を選択的に貼り付けると、複数のイベントのビデオエフェクトが同時に正しくリストされるようになりました。
- 調整イベントをより適切に操作できるように詳細編集ウィンドウを改訂しました。
- 特定の電話ベースのメディアをデコードする際に重複フレームが作成されなくなりました。
- 詳細編集ウィンドウのUXカラーの問題を修正しました。
- エクスプローラーウィンドウのナビゲーションバーがネットワークパスを認識するようになりました。
- VEGASをフォーカスから外して再びフォーカスに戻すときに、過剰なピークが構築されることがなくなりました。
- タイムライン上で大量のシークを行っても、NVidia GPUの再生とレンダリングのパフォーマンスが低下しなくなりました。
- ビデオFXプロセスで起動される進行状況ダイアログをユーザーのモニター上で再配置できるようになりました。
- メディアの高さが幅より大きい場合、32ビットカラー変換でアーティファクトが発生しなくなりました。
- AC3デコーダーがクリーンなWindows 24H2システムで利用可能になりました。
- 特定のAVC VFRメディアで黒いフレームが表示されなくなりました。
- インターレースメディアにおけるビデオ安定化の結果が改善されました。
- 黒いバーの塗りつぶしで画像の周囲に細い境界線が残らなくなりました。
- 詳細編集ウィンドウで、調整イベントを含むプロジェクトがクラッシュしなくなりました。
- スクリプトから呼び出された際に、スナップショット保存機能がハングアップしなくなりました。
- ドッキングエリアのペインのサイズ変更がより効率的かつスムーズになりました。
- ドックウィンドウのサイズ変更中にウィンドウが白く点滅することはなくなりました。
- ミキシングコンソールのUIが整理され、カラースキンと高DPIディスプレイの扱いが改善されました。
- VEGAS Pro 21以前から利用可能だったマーカーの保存オプションが再び利用可能になりました。
- ソフトウェアアップデートを手動でチェックするときに、ステータスウィンドウがアプリケーションウィンドウの前に表示されるようになりました。
- 192,000 Hz オーディオを使用したソリストのストレッチ方法がクラッシュしなくなりました。
- 一部の種類のBRAWメディアを再生する際に発生する可能性のあるアプリケーションのハングを修正しました。
- エクスプローラーウィンドウのディレクトリがキーボード入力を認識して応答するようになりました。
- エクスプローラーウィンドウの並べ替え機能の改善。
- BRAWのデコード時にGPU処理をより効果的に活用。
- Filmconvert Nitrateプラグインは起動時にクラッシュしなくなりました。
- Upscaleプラグインの改良。
- Brinnoカメラからのメディアのサポートを追加しました。
- FXパッケージ機能の改善。
- 一部のFXプラグインのキーフレームを削除しても、アニメーションボタンが消えなくなりました。
- Vegasの以前のバージョンでは読み込めた一部の大きなファイルのインポートに関する問題を修正しました。
- 再生ヘッドをオーディオスクラブなしで自由にドラッグできるようになりました。
- スペースバーは、再生/停止ではなく、デフォルトで再生/一時停止アクションを実行します。
- イベントをクリックしたときにカーソルが動かないようにする新しい設定。
Windows ARM用VEGAS Pro 23
WindowsベースのARMデバイス向けにVEGAS Pro 23のビルドを作成しました。ビルドとARM固有のディープラーニングモデルは、以下のリンクからダウンロードできます。
公式フォーラムの内容をGoogle翻訳にて翻訳後、引用
- ビルド280
- ディープラーニングモデル
- スマートマスク
- 自動リフレーム
※上記公式サイトで記載されているインストールファイル等は日本語版ではありません。
体験版(英語)のインストールとアクティベーション
公式サイトで公開されている体験版では30日間の利用が可能です。日本語版はありませんが、新機能や動作の確認には利用出来ます。またこれまでの体験版ではレンダリング(書き出し)の動画長さが「2分間」に制限されていましたが、VEGAS Pro 23の体験版では制限が無くなりました。ただし「透かし」は同様に入ります。
またVEGAS Proは過去のバージョンや体験版等、基本的に全て別製品扱いなので、同一PC内でそれぞれインストールと使用が可能となっています。従って「23」を購入・インストール後も「22」やそれ以前の製品も引き続き使用可能です。ただし以前の製品で制作したプロジェクトファイルを「23」で読み込んで上書き保存してしまうと、再び以前の製品では開けなくなってしまうので、注意が必要です。
インストール
MAGIXのVEGAS Proサイトでスクロールした先にある「Download now」ボタンをクリックすると、体験版用のインストールファイルをダウンロード出来ます(MAGIXのサイトで言語設定を「英語」にする必要があります)。この時にダウンロードするファイル自体は、6MB程度です。
※以降のウィンドウ画像では、途中に省略している物があります。

インストールファイルを実行すると言語の選択が表示されます。日本語は無いので、ここでは英語を選択します。

ダウンロードされるファイル一覧です。VEGAS Pro 23本体の他は全てディープラーニング(AI機能)のモデルファイルで、VEGAS Pro 22までは1つのファイルでしたが、23では機能別に分かれています。サイズが大きいため、使用しない機能のモデルはダウンロードしない選択も可能になりました。しかし、本体660MBに対して各モデル合計で約3GBもあります。「Continue」をクリックするとダウンロードが始まります。

ダウンロードが完了すると自動でファイルが展開され、VEGAS Pro 23本体のインストールから始まります。言語選択では上記の通り日本語はありません。ここでは英語を選択します。

上記ウィンドウの「Change default settings」で、インストール先とデスクトップアイコンの作成有無が選択できます。「Agree and Install」でインストールが始まります。

VEGAS Pro 23本体のインストール中。

VEGAS Pro 23本体のインストールが完了しました。

続いて、各ディープラーニングモデルのインストールが始まります。各モデルには日本語がありますが、モデルは表に出て来る物ではないので、言語での影響は無いと思われます。なお、ディープラーニングモデルはインストールしなくてもVEGAS Pro自体の使用は可能ですが、「AI」を利用した各機能が使えなくなります。

上記ウィンドウが出るのでそのまま進めますが、VEGAS Pro 23では機能別に分かれたモデルの数だけ、インストールが繰り返し行われます(言語選択→モデルインストール)。

各モデルのインストールが完了すると、デスクトップアイコン(作成の設定をした場合)が表示されます。「22」からは微妙に色が薄くなった?
アクティベーション
体験版の利用にもMAGIXへの登録とアクティベーションが必要です。これについてはVEGAS Pro 22と同様なので、VEGAS Pro 22の体験版インストールの記事を見て下さい。
VEGAS Pro 23の様子

起動時(ようこそ画面)。22から大きく変わった点は見当たらず。

22で制作したプロジェクトファイルも、特に問題なく開けました。

全体的に軽くなった様な気もします。AI機能のスマートマスク2.0自体は変わらず?高精度だとやはり時間が掛かり、低精度でもそこそこなマスクが可能。ただし1度、VEGAS本体が落ちたけど、22でも同様だった様な?
注記(スクリーンショットについて)
掲載しているVEGAS Proの製品画面:©2003-2025 MAGIX Software GmbH.
その他の各ブランドやロゴ・製品名等は各製造者の登録商標です。