ドライブスポット16 秩父市 吉田太田部 楢尾集落 ※2022年7月再訪
題名に「ドライブスポット」と記すには少々抵抗がありますが、カテゴリー上の統一もあるのでやむを得ず付けています。先日、秩父市から国道299号線で志賀坂峠を越えて群馬県の国道462号線へ出た後、再び秩父市方面で長瀞町へ戻るというルートで走行してきました。その途中で、いつかは行ってみたいと思っていた秩父市吉田太田部にある「楢尾集落」へ立ち寄ってみました。
もう何年前だったか(2009年?)、この集落に暮らす方々のNHKドキュメンタリー番組を見て以来、一度行ってみようと思っていました。先の通り、国道462号線で神流湖(下久保ダム)を通り過ぎる事はこれまで何度もありましたが、国道462号線から神流湖の対岸にある吉田太田部にはなかなか足を延ばす事はありませんでした。今年(2019年)になって再びNHKで「最終章」となる番組が放送されて思い出し、今回は紅葉の季節に合わせて行ってみる事にしました。
番組に関して詳しい事は書きません。「楢尾集落」はいわゆる限界集落とされる地域でしたが、現在は無人化しています。国道462号線は神流湖(神流川)を境に群馬県側を通っていますが、楢尾集落のある吉田太田部は埼玉県秩父市です。
※NHKのアーカイブス(別のアーカイブス)で、少しだけ番組の動画を見る事が出来ます。
2023年12月追記
2023年9月より、国道462号線から神流湖を渡る「太田部橋」で工事が行われています。工事期間中に太田部橋が全面通行止めとなる時があり、「令和5年9月25日~令和5年10月13日」と「令和6年2月1日~令和6年2月28日」の2回(時間は共に9:00~17:00)となっています。工事自体は令和6年3月22日までの予定。現在(令和5年12月)は通行出来ますが、来年2月に再び通行止め予定です。
太田部橋が通行止めの間は下久保ダムに近い側にある「金比羅橋」側からのルート(県道331号線)が迂回路として開放されるそうです。ただし現在は太田部橋が通行出来るので、迂回路は閉鎖されています。
金比羅橋から下久保ダム方向は引き続き通行止めですが(GoogleMapのストリートビューはなぜか2023年6月に通れていますが)、下久保ダム側から「西神山森林公園(神泉ボート場)」までは通れる案内が出ていました。実際に行ってみましたが、県道331号線から西神山森林公園に至るルートは非常に荒れていて、ボート場もありませんでした。
これまで城峯公園への入口(上記地図の★)~金比羅橋~林道「太田部峠2号線」までの間は長年通行止めでしたが、こちらは令和6年3月末まで工事予定となっているので、それ以降「下久保ダムから金比羅橋までのルート」は利用可能になるかもしれません。
2022年8月追記_2
この記事内で、私が作成した国道462号線から楢尾集落に至るまでの動画(YouTube)を掲載していますが、この動画にて現在の楢尾集落には住民となる方が居るとのコメントを頂きました。伝聞なので確証は得ていませんが実際に訪問される場合は住民が居る事を前提とし、御迷惑が掛からない様、お願い致します。
2022年8月追記_1
2022年7月、約3年ぶりに楢尾集落を再訪しました。あまり大きく変わった所は無く、現在も静かな無人集落でした。この時の写真を記事終盤に追加しています。
2020年3月追記
2020年5月に映画として公開される事になったそうです。これまでの番組の集大成、未公開シーンの追加とあります。映画自体は見に行く予定はありませんが今年は桜の開花も早そうなので、4月になる頃にもう一度楢尾集落に行ってみようかと思っています。
国道462号線から吉田太田部「楢尾集落」まで
注記
秩父市街から群馬県方面(国道462号線)に向かうルートは国道299号線(志賀坂峠)と県道71号線(土坂峠)の2つがありますが、天候や工事・冬季の積雪で通行止めとなる事があります。最新の状況は埼玉県の下記サイトに記載されているので、事前に確認する事をお勧めします。
また、国道462号線から楢尾集落に向かう道は最終的に「林道(舗装済)」となります。林道なので通行止めとなる可能性もさらに高くなり、山林の管理作業が行われている事もあります。林道の状況についても下記サイトに記載されています。
ルート
群馬県となる神流湖の北側を国道462号線が走っています。対して神流湖の南側は埼玉県秩父市で、県道331号線が走っています。神流湖の上流にある橋を渡って県道331号線に入り、さらに県道から林道を通って向かいます。距離は国道462号線から約3.5km(GoogleMapによる)、実際に走行した時間は約10分ほどです。
国道462号線から県道331号線
楢尾集落へ向かうには国道462号線から神流湖を「太田部橋」で渡り、県道331号線で向かいます。太田部橋は吊り橋ですが車両は通行出来ます。ただし車両1台分の幅しかないので対向車が居る場合は進入出来ません。
※下久保ダム側からの県道331号線は途中の「神泉ボート乗り場」から、以下「林道太田部峠2号線」まで通行止めが長年続いています。途中にある「金比羅橋」は国道462号線から渡れますが、渡った先の県道331号線はどの方向にも進めません(2022年7月現在)。さらにこの区間の県道331号線はとても狭いので、通れるようになってもこのルートはお勧めしません(太田部橋~林道太田部峠2号線はセンターラインのある片側一車線道路)。
太田部橋の国道462号線側はトンネル出口とカーブのすぐ近くで見通しが悪く、さらに橋に向かって路面がスロープ状に下っています。太田部橋への出入りの際には注意が必要です。※上記は県道331号線側から戻ってきた時で、国道462号線に出る時の様子です。
太田部橋を渡って県道331号線は左折します。この地点も今度は若干上り方向にスロープ状になっています。
ところで太田部橋を渡って左折後すぐに、鳥小屋の様な物があります。中から亀?の置物が覗いています。詳細は不明です。
2023年12月追記
上記の亀の置物、詳細が不明な事は変わりませんが、鳥小屋の様な物の側面には「一香一華を…」と書かれています(ネット上で調べると…を捧げる心がほしい、だそうです)。仏教に「一華一香(一本の華や香)」という言葉があるそうでその逆ですが…。また中の亀の置物は以前は本物の亀の剥製だったのでしょうか?というのも、鳥小屋の様な物とした足元に、本物の様な甲羅が見えました。ただし劣化して少々見るに堪えない状態なので、苦手な方は下を見ない方が良いと思います。
---2023年12月追記 ここまで---
県道331号線は太田部橋を渡った地点からこの先の「楢尾橋」まで、上記の様にセンターラインのある片側1車線となっているので走行に問題はありません。県道331号線では下久保ダム近くにある城峯公園側からも来る事が出来ますが、こちら側は「楢尾橋」まで道幅は狭く距離もあります。従って遠回りでも国道462号線から太田部橋を渡る方が良く、時間的にもむしろ早いと思います。※2019年11月現在では楢尾橋が通行止めです。
林道太田部峠2号線
県道331号線で楢尾橋まで来ると、その先は林道「太田部峠2号線」になります。林道なので通常の道とは異なり、通行にはさらなる注意が必要になりますが、路面は舗装されています。またここから道幅は車1台分と狭くなります。
太田部峠2号線を進むと左折する道が現れます。左折側が引き続き太田部峠2号線なのでそちらへ進みます。直進側は林道「太田部線」で、吉田太田部地区の別の集落に繋がります。またこの地点にはトイレがありますが(上記の案内板の裏)、利用には少々抵抗を感じるでしょうか。
上記は楢尾集落から戻って来た時で、逆方向から見たトイレです。トイレについては楢尾集落に「楢尾観光トイレ」があります(ただし冬季は凍結で使用出来ない場合アリ)。
この日は左折してから台風19号の影響の為か路面には砂利が多く、また倒れた木々の後片付けと思われる作業の様子がありましたが、作業自体は行われていませんでした。
左折した地点からさらに進むと、楢尾集落の入口となる地点が見えてきます。太田部峠2号線はカーブを右へ進みますが、左折側は林道「矢納楢尾線」となって、こちらも城峯公園へ繋がります。ただし2019年11月現在はすぐ先で通行止めとなっていました。
動画
国道462号線から楢尾集落の入り口までの動画です(2022年7月再訪版)。林道区間は道が狭いので、すれ違い時の場合によってはある程度の後退が必要になります。運転の不慣れな方にはお勧めしません。
※この記事公開時(初回・2019年)の動画はこちらです。内容は2022年とほぼ変わりません。
楢尾集落(2019年)
楢尾集落の入口となる地点には「楢尾観光トイレ」があります。このトイレは綺麗で電気も通っています。ただし私が見た時は男性側(小)が利用禁止になっていました。女性側は見ていません。
集落内を見学させて頂くにあたって、車を停めるスペースはありません。辛うじて観光トイレ横が少し広いので、今回はここに停めさせて貰いました。集落内はさらに狭く勾配もあるので、この先の車両での進入はお勧めしません。
番組の御夫婦のお宅への案内もありますが、現在ではほとんど読み取れない状態でした。
御夫婦のお宅がある集落へは、観光トイレ前の上り坂を進みます。
集落の家々が見えてきます。
途中で再び案内の板がありますが、こちらも読み取れない状態です。ここを入ります。
案内の位置から見ると奥に軽トラが1台停まっていたので、どなたか居るのかと思いました。
ナンバープレートは付いていませんでした。左にあるお宅が御夫婦のお宅になりますが、矢印の道を進むと庭先に繋がります。
無人とはいえ、あまり人様のお宅の写真を載せる事は少し抵抗があるので(写真自体もあまり撮らなかった)、上記のみにします。行き先を書かれていた板も昔はチョークで書かれていたと思いますが、現在はちょっと違和感が・・・。
集落内に残る家々はどちらも御子息や御親戚によるものか、とても綺麗になっています。従って無人という感じが全くしません。そもそも無人であってもやはり人様の敷地内なので、本来は立ち入るものでは無いと思います。これまでも多くの方が訪れている様子ですが、それでも封鎖や立入禁止となっていないのは、あくまで御厚意によるものだとも思います。まして建物内に無理に立ち入ったり、置かれている物などに手を触れたり形を変える事などは厳禁だと言えます。
2021年7月追記
映画が公開されて訪れる人も多くなった為か、現地にしっかりとした案内板が設置されたそうです。
・・・再訪したいのですが、ここ1年はなかなか都内から出る事もない状況が続いています。
2022年8月追記
2022年7月に再訪した時の様子です。
先の通り、案内版がありました。
案内版の坂道以降は車両での進入は禁止とも。
坂道を登った先にも案内版。
上記の案内板を右折。この先はあまり変わっていない様子…?
と思いきや、一部コンクリートが敷かれ、廃車だった軽トラの代わりにナンバー付きのトラックが止まっていました。
どなたか来ているのかと思いましたが、誰も居ませんでした。御夫婦のお宅は現在もほとんど変わった様子はありません。
今回は集落の他の場所も見てみました。
やはり今にも人が出て来そうで、少々落ち着かない気持ちにもなってしまいます。
その他(2019年)
集落入口にある、地域向けの掲示板とゴミ集積場所。もう使われる事も無いと思いますが、番組ではここに移動販売車が来ていたでしょうか。
御夫婦のお宅から観光トイレ前まで徒歩で下って来た道は、まだ分かる状態でした。
紅葉は終盤でしたがとても綺麗でした。そう言えば番組内で、来た人が目をとめてくれれば・・・と仰っていたと記憶しています。次は春先に行ってみたいと思いました。
この様な地域は日本全国で見れば無数にあると思います。対策の議論も度々ある様ですが、いずれ人も物も自然に帰るのだと実感してしまいます。色々と考えてしまいますが何か残そうとするのではなく、出来るだけ綺麗に消える事の方が自分自身には合っていそうです。それはそれで、またとても難しいのですが。