ハンディレコーダー ZOOM H2n 自然環境での録音比較(+外部マイク)

動画,社外部品・DIY

これまでのH2nの録音比較については音の対象を「車」としてきましたが、今回は屋外での自然環境の中で録音を行って比較してみます。録音した内容は、先月(7月)の二瀬ダムでの「ひぐらし」の鳴き声です。元々は単純にドライブで行っただけですが、ひぐらしが盛大に鳴いていたので録音してみました。

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注記

この記事の内容はあくまで私個人の感想です。また掲載している動画では1つの動画ファイルとしてエンコードしているので、元の録画・録音ファイルからは音声の様子も変わっている可能性があります。従って実際の製品での録音と相違があってもその責任等を負う事は出来ません。

H2nのこれまでの記事については下記を見て下さい。

比較動画

動画の視聴はヘッドホンの使用をお勧めします。

  • 0:00~0:30 H2n XYステレオ
  • 0:30~1:00 H2n MSステレオ(RAW) 編集でサイド音量±0
  • 1:00~1:30 H2n MSステレオ(RAW) 編集でサイド音量+12
  • 1:30~2:00 H2n MSステレオ(RAW) 編集でサイド音量-∞(OFF)
  • 2:00~2:10 (4chは省略)
  • 2:10~2:40 2chサラウンド(録音時サイド音量±0)
  • 2:40~3:10 H2n XYステレオ 外部マイク(AT9920)
  • 3:10~3:40 H2n XYステレオ 外部マイク(CS-10EM・バイノーラルマイク)
  • 3:40~4:10 SONYアクションカム FDR-X3000内臓マイク

画像は二瀬ダムの映像(変化しませんが一応動画)ですが、ひぐらしはその背後の森林内で鳴いています。H2nの録音形式はいずれもWAV 96kHz/24bitです。4chサラウンドについては、XYとMSの2つのファイルが別々で保存される形(かつWAVで最大48kHz/24bitまで)なので省略していますが、2chサラウンドはXYとMSがミックスされて1つのファイルになるので、4chでのXY+MS(サイド音量±0)と同等とみなしています。また各録音モードで音量が異なるので、編集時に一定になるように調整しています。

H2n本体は録音の際、XYステレオであればXYマイクのある液晶面を録音対象側にし、MSステレオであればその逆にしています。2chサラウンドでは液晶面(XYマイク)を録音対象側にしているので、MSマイクは録音対象とは反対側を向いている事になります。

外部マイクは車載動画でいつも車外のマフラー付近に設置しているAudio-TechnicaのAT9920と、Rolandのバイノーラルマイク、CS-10EMの2種をそれぞれH2nのLINE-INに接続しています。

考察

H2n本体マイク

最初のXYステレオを基準にすると、MSステレオ(サイド音量±0)はやや左右の広がりを感じますが、これはマイクの構造がXYとMSで異なる事にもよると思います。

上記左図はH2n取扱説明書より。

XYマイクは左右で90度固定ですが、MSマイクはセンターとサイドという形で、サイドマイクの音量を調整する事で音の広がりを調整します。サイドマイクはサイド音量±0で120度相当となるので、これを基準とするとXYマイクよりも広い角度になっています。また今回は比較していませんが、サイド音量が-6でXYマイクと同じ90度相当となりますが、Midマイクの存在からやはり同じ様にはならないと思われます。

MSステレオでサイド音量を「RAW」として録音すると、後から編集でサイド音量を調整出来ますが、最大+12~最小-∞(OFF、H2n本体では最大+6~-24、最小OFFまで)となっています。今回の動画ではサイド音量を最大にするとホワイトノイズの様な音が増していますが、これはダムから流れる水の音です。左右がより広がった結果ですが雑音が増してしまったとも言えます。逆にサイド音量が-∞(OFF)ではほぼモノラルとなるので、当然ですが臨場感はありません。

2chサラウンドではXY+MSとなり、H2n本体の全周から集音する形となるので、XYやMSのみよりもさらに臨場感があります。ただし臨場感はあっても録音対象の邪魔になってしまうとも考えられます。また4chサラウンド、2chサラウンド時のMSステレオでは「RAW」は選択出来ないので、録音時にサイド音量を決定する必要があります。

H2nの取扱説明書ではMSステレオは広く開放的な空間(オーケストラ、ライブ)、XYステレオは近距離(ソロ演奏、室内、インタビュー)に適しているとあります。4ch・2chサラウンドは少々悩みますが、4chであれば編集でMSとXYとのバランス調整が後から可能です。

外部マイク

外部マイクのAT9920は主に屋内での会議用となっていますが、切替スイッチ(FLATとL-CUT)で屋外での録音モードも選択出来ます。ただし今回はFLATで録音しています。AT9920では先のダムから流れる水の音は大きくありません。明確に聞こえる音だけを拾っている印象です。

バイノーラルマイクのCS-10EMはカナル型のイヤホン内にマイクが内蔵されていて、人が聞く音に近い状態で録音されます。従って通常のステレオ録音よりも音の方向がより明確になります。動画では自分の耳にCS-10EMを付けた上で、映像と同じ方向を見ながら録音しています。移動する事で「音」の方向もハッキリと変わります。

その他

今回の様な狙い(ひぐらしの鳴き声)を定めた録音の場合はH2nのXYステレオかAT9920、周囲の雰囲気や臨場感も出したい場合は2chサラウンド、さらに映像の方向と合わせる場合はCS-10EMが良さそうですが、やはり肝心なのは録音対象・目的を初めに明確にしておく事かもしれません。とりあえず4chサラウンドで録音して、編集時にXYのみ、MSのみという利用方法もありますが、先の通り4ch・2chサラウンドでは録音時にMSステレオのサイド音量の設定(決定)が必要で、後から調整可能なRAWでは録音出来ません。

MSステレオ(RAW)での録音後のサイド音量の調整や、4chサラウンド(XYとMS)を2chへのステレオ化については購入と機能の記事で書いていますが、H2n本体で変換あるいは編集ソフトで行います。編集ソフトではZOOMで公開しているVSTプラグインが必要です。