3Dプリンター「JGAurora A3S」を購入
先日、3Dプリンターを買いました。数年前から何度か購入を考えていましたが、以前は安い物でも10万円を切るくらいの価格だった記憶があり、まだちょっと手が出ないかなと思っていました。最近になってAmazonを眺めていると、組み立て式の低価格な物で2万円台から販売している物が多くあり、この価格であれば3Dプリンターの選択を間違えたり、やはり利用しなかった、出来なかった事を考えても許せるかと思って購入しました。
低価格な3Dプリンターについて
組み立て式とは言えかなり低価格になった3Dプリンターですが、やはりそれ以外にも低価格な理由が多くあります。一番大きな点は精度の問題で、通常XYZのスライド機構はリニアガイドやボールブッシュを利用するのが一般的ですが、低価格な3Dプリンターではアルミフレームの溝にプーリーを使ってガイドとしていたり、モーターなどの取り付け部品も3Dプリンターで作成した樹脂部品だったりします。各部品の取り付けも何か位置決めピンなどがある訳でもなく、基本的に全て「調整」が必要です。
Amazonで低価格な3Dプリンターを見ていて一番気になったのがやはり精度で、正直な所、これちゃんと走る(スライドする)のかな?と思いました。またしっかりと調整出来て取付などが決まってしまえば大丈夫なのでしょうけれど、その状態になるまで調整しきれるのか不安もありました。それゆえの価格なのですが、これらの製品は3Dプリンターと言うよりも「組み立てキット」であり、完成すれば「3Dプリンターとして利用出来る」という印象を持ちました。
JGAurora A3S
先の低価格な3Dプリンターの中から購入した物は「JGAurora A3S(以下A3S)」という機種です。2018年10月購入時の価格は39,999円でした。その他の機種では25,000円くらいからありましたが、いずれも自分で組み立てる必要があります。A3Sは半完成品で、前後テーブルのY軸と左右上下のXZ軸部分が別々になっていて、その2つを組み合わせるだけです。
当初、2万円台から3Dプリンターが買えると思った金額からは少し高い価格になってしまいました。しかし今回は組み立てや調整に時間を掛けたくはなく、あくまで3Dプリンターを「利用してみたい」のであって「組み立てを楽しむ」のではないと自分に言い聞かせてA3Sにしました。実際には半完成品でも調整は必要ですし、モデル印刷時にも相当の調整が必要だとも思っていますが、A3Sは精度の面でも少し期待できる内容だったこともあります。さらに非公式ですがJGAuroraの3Dプリンターに関するWikiがあり、ユーザーが出している様々な情報が豊富にあった事も1つの理由です。
ちなみに低価格な3Dプリンターの多くは中国や他のアジア圏の企業から販売されていて、形が同じ3Dプリンターで名前を変えて販売されている物も幾つかあります。今回購入した3Dプリンターのメーカーも中国メーカーです。
!追記!
「JGAurora」はその後「JGMaker」と社名を変更した様子です。JGMakerのサイトで引き続きA3S等の3Dプリンターが掲載されています。
A3Sの様子
日本のAmazonでの購入はAmazon在庫分と中国からの工場直販?分がありますが、Amazonの在庫側を買いました。その他にフィラメントなども一緒に購入し、購入2日後に1つの段ボール箱で届きました。大きな段ボール箱の中にさらに3Dプリンターの箱も入っています。てっきり2つに分かれて来るかと思っていたので少し驚きました。
当初は上記の矢印の物を買おうと思ってAmazonを見ていたのですが、結果的にオマケになっていまいました。矢印の物はDC12V→DC24Vの電源アップコンバーターです。
梱包~内容物
A3Sの梱包はしっかりとしていました。箱全体にラップが巻かれ、箱もテープでしっかり閉じられています。この点については先のwikiで「Amazonから買うべき」と記載があります。日本国内でもAmazon以外からさらに安く購入できますが、輸送に関してはやはり懸念する点になりそうです。
箱の内部にはさらに箱状の発泡スチロールが入っていて、こちらもテープで縛ってあります。この中に3Dプリンター本体などが収まっていますが、半完成品なのでそれほど細かい物はありませんでした。
発泡スチロールのフタを取ると、前後テーブルを含む本体部とACアダプター、サンプル用のフィラメントとフィラメントスタンドが入っています。
さらにその下にはXZ軸部と取付用ネジなどが入った箱があります。
上記はその箱の中身です。アダプターの電源ケーブルとUSBケーブル、予備ノズル1個、各種取付用ネジ、予備テーブル用クリップ、レンチ工具、テーブル高さ調整用のシート、取説やサンプルデータとソフトが入ったUSBメモリー、保証書が入っていました。
保証書の最後には検印と合格証、シリアル番号などがあります。一応ちゃんと管理されている様子です。
A3Sのバージョン
購入前に先のWikiにも目を通していましたが、A3Sにおいては発売から様々な変更が加えられているとありました。以下はそのWikiからの転載です。
Printer Versions
JGAurora is known for slightly changing their printers over time without informing customers. So far there have been MANY changes to the A5 and A3S printers:
- V1 printer with 3D printed parts on the Z-axis and X-axis.
- V2 printer with metal parts on Z-axis and X-axis (this is when they introduced the word “upgraded” to the name).
- V3 printer with a modified heater bed plug that is positioned vertically. this avoids the bed cables interfering with the X-motor cable.
- V4 printer with a rubber gasket around the top of the printer, to reduce noise from the cable tubing rubbing on the frame.
- V5 printer with drag chain removed – the cable chain was poorly implemented, and actually caused damage to the cables. This is a big shame that they could not fix this design properly! The mounting points for internal motherboard fan were also removed. The LCD filament sensor was finally stuck down better with hot glue, but this makes it more frustrating when you try to disassemble the printer…
- V6 printer with new more reliable filament sensor – the early sensors would wear down very quickly and become faulty.
- V7 printer with injection-moulded Y-axis support.
- V8 with bed clips and triangle cut off corners, and injection moulded mounts for the X/Z axis joiners.
- V9 with bed clips (no longer stuck down with adhesive), no more cut off corners, power supply replaced with generic brand, Z-smooth-rod holders are now injection moulded, not machined metal.
- V10 with A4988 stepper drivers that are fixed-vref, and cannot be tuned. For better or worse!
- V11 with 6-pin bed cable (big safety improvement).
これまで様々な変更がなされている様子ですが、A3Sとは別に印刷範囲が大きい「A5」という機種もあり、Wikiの記載もA5とA3Sで共通に書かれています。上記の変更内容がこの両機種共にそれぞれ対応しているのかは不明です。また今回私が購入したA3Sがどの時点の製品(バージョン)なのか気になりますが、製品自体にバージョンを示す表記は見当たりませんでした。
これから半完成品となっている3Dプリンターの組み立てを行いますが、現時点では手元に工具がありません(車の中)。A3Sに組み立て用のレンチが付属していますが、恐らくそれだけでは済まないとも思っています。次回は組み立てではなく、もう少し3Dプリンターの様子を見てみて、上記バージョンのどの辺りの製品なのかを確認してみたいと思っています。
!注記!(後日追記)
A3Sは本体側面にUSBメモリー用のポート(TypeA)が無く、代わりに正面のパネル側にSDカードスロットの付いた「A3S MkII」とされる機種に更新されている様です。A5でも新たに「A5S」という機種が追加されましたが、そのA5Sと同様に内部のボードやモータードライバー、操作パネルのボードも一新されている様です。以下、Wikiの記載より転載。
Please note, JGAurora has released a second-generation A3S MkII for 2019, which is based on the A5S printer. If your A3S has an SD card slot at the front, then you have the new version, and should refer to the A5S page for more relevant information. If your A3S has a USB stick port on the side, then you have the first-generation A3S, and should read on!
おまけ
その他、今回一緒に買った物です。
先で出てきたアップコンバーター。別記事で書いていますが、今回の3Dプリンターとは別で進めているOBD2のスキャンツールで使います。別で進めると言っても私が車に乗るのは週1なので、その時にしか作業などもしないのですが。
造形(印刷)用のフィラメントです。材質は迷いましたがとりあえず「PETG」にしてみました。A3Sに付属で付いているフィラメントはPLAです。
デジタルノギスです。造形後には必須になると思います。3Dプリンターではそれほど精度は出せませんが、他でも使える様に最小目盛「0.01」の物にしました。
さらに細かい物があれこれと必要なのですが、この辺りの物はホームセンターで購入しようと思っています。・・・結局だいぶ予算オーバーです。また3Dプリンターで製作する物は、車で利用する物も考えています。
「3Dプリンター」関連記事
以下は「3Dプリンター」タグの記事一覧です(投稿順)。現在の記事とこれ以降に投稿した記事も含みます。
- 3Dプリンター「JGAurora A3S」を購入
- 3Dプリンター「JGAurora A3S」各部の様子とバージョン
- 3Dプリンター「JGAurora A3S」を組み立てる
- 3Dプリンター「JGAurora A3S」で使用するPC用ソフト(スライスソフト)について
- 3Dプリンター「JGAurora A3S」で初めてのプリント
- WRX 3Dプリンターでウイングスタビライザーを作る その1 型取りと図面化
- WRX 3Dプリンターでウイングスタビライザーを作る その2 2D-CADで描いた部品のプリント
- 3Dプリンター「JGAurora A3S」のファームウェアをアップデートする
- 3Dプリンター「JGAurora A3S」のLCDパネルのファームウェアをアップデートする
- WRX 3Dプリンターでウイングスタビライザーを作る その3 全体形状とPETGフィラメント
- WRX 3Dプリンターでウイングスタビライザーを作る その4 正式な部品の図面化と反り対策
- WRX 3Dプリンターでウイングスタビライザーを作る その5 正式な部品の完成
- WRX 3Dプリンターでウイングスタビライザーを作る その6 正式な部品での確認と結果
- WRX 3Dプリンターでメーターブラケットを作る
- WRX 3Dプリンターでウイングスタビライザーを作る その7 再検討と再作成
- WRX 3Dプリンターでウイングスタビライザーを作る その8 表面の補修とPETGへの塗装
- WRX SONY FDR-X3000とHDR-AS100VにND(減光)フィルターを付ける
- WRX センターパネル(ナビパネル)下のスペースを埋める その1 準備編
- WRX センターパネル(ナビパネル)下のスペースを埋める その2 設置編
- WRX センターパネル(ナビパネル)下のスペースを埋める その3 改良編
- WRX SONY HDR-AS100Vの自作マウント部品とその他の部品
- WRX SONY FDR-X3000とHDR-AS100VにPL(偏光)フィルターを付ける
- WRX 3Dプリンター 車内で使用するフィラメントの材質について(耐熱温度)
- 3Dプリンター「JGAurora A3S」のメンテナンスをする
- WRX 風力式のエアコンオートルーバーを作る