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WRX SIドライブスイッチ・DCCD切替スイッチを増設する その1 調査編

社外部品・DIY,車両・機能

私の車(WRX・VAB-A)にはエンジン特性を選択する「SIドライブ」とセンターデフの前後トルク配分を調整する「DCCD」の機能があります。この2つの機能を選択、調整するスイッチ類はセンターコンソールにありますが(シフトノブの後方)、今回は別の場所にこれらのスイッチ類を増設してみようと思います。

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注記

この記事の内容は実際に私が行った上で書いていますが、その内容や各製品の型式、仕様、構造などを保証する事は出来ません。同様あるいは類似の内容を行う際には実際の車両や製品等を確認し、自己責任と自己判断の下で行って下さい。

増設の理由

私は普段、SIドライブは「Iモード」で走行していますが、私の車ではエンジンを掛けると「Sモード」が標準となっているので、エンジンを掛ける度にSIドライブスイッチを押して切り替えています。この時にセンターコンソールのドリンクホルダーに500mlのペットボトルなどを置いていると、肘がペットボトルに当たってしまい少し煩わしさがあります。SIドライブを「Iモード」にするにはダイヤルスイッチを押すだけなので、当初はこのスイッチを押す機能を別のスイッチで増設する事を考えましたが、どうせ増設するならとSIドライブとDCCDの全てのスイッチを増設してみる事にしました。DCCDに関しては「Auto」のままでほとんど切り替える事はないのですが。また先の別記事でセンターコンソールの外し方を扱った理由は今回の為です。

各スイッチの構造

当初は各スイッチ類は単純にON-OFFしているだけかと思っていましたが、ネット上であれこれ見てみるとSIドライブに関しては抵抗を使用していて、SIドライブの選択信号線に流れる電流によってモードを選択している様です。具体的には「Iモード」時は1kΩ、「S#モード」時は3.67kΩの抵抗を使用(通過)しています。「Sモード」時は抵抗は使用していません。

回路図で書いてみると上記の様な構造です。S#モード時は1kΩと2.67kΩを直列で繋ぐ形になるので、結果として3.67kΩの抵抗値になります。

またDCCDのスイッチ(Auto/MANU・+/-)は単純にON/OFFの様です。

実際のスイッチの確認

おおよそのスイッチ構造は分かりましたが、実際に自分の車でのスイッチが本当にその様になっているのか確認しなければなりません。センターコンソールからSIドライブ・DCCDスイッチを外して調べてみます。

スイッチの取り外し

センターコンソールの取り外しは以前の記事で書いているので省きます。センターコンソールを前方から扉を開く様に持ち上げると、スイッチASSYの底面が見えます(上記)。赤丸2か所のネジを外し、さらに両脇のツメ4か所を押すとスイッチ側に外す事が出来ます。両脇のツメは片側ずつ外しました。

ただしスイッチを外す前に車両側との接続とセンターコンソールに固定されている部分を外す必要があります。上記の上側の様に車両側との接続を外し、その後さらに上記下側でセンターコンソールに固定されているコネクターと、そのコネクターから分岐されているプラグに繋がるコネクターを外します。

外したスイッチASSYを持ち帰りました。ちなみに名称は「マルチセレクトスイッチ」でVAB用の型式は「83251VA000」となっている様です。

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配線・抵抗値を調べる

取り外したスイッチのコネクターは10ピンとなっていて、内2本は先のプラグへのコネクター(12V電源)に繋がっています。残りの8本は配線色として「R・B・Y・L・W・OR・PU・BR」となっています。この内SIドライブの信号線は「R(赤)」、GNDは「B(黒)」で、さらにDCCDのAuto/MANU切替が「Y(黄色)」、+が「L(青)」と-が「W(白)」、DCCDの共通GNDとして「OR(橙)」となっています。PU(赤紫)とBR(茶)はLED用の電源の様です。

コネクターを端子側から見ると上記の様な配列です。空いている端子2か所はプラグへの配線です。念の為に実際の写真も載せますが、写真は配線側から見ているので、配列とした図とは対称形になります。

コネクターの各端子にテスターを当てて通電と抵抗を調べます。先に単純なON/OFFと考えられるDCCDの各スイッチ(Y・L・W・OR)に関してはその通りでした。SIドライブ(R・B)に関しては抵抗値も測ってみます。

まずはダイヤルを左に回して「Sモード」にしてみると抵抗値は「0」です(抵抗無し)。

次にダイヤルを右に回して「S#モード」にしてみると抵抗値は「3.5」付近になりました。

さらにダイヤルを押して「Iモード」にすると抵抗値は「1」付近になりました。テスターが安物なので正確な抵抗値は測定出来ませんが、ネット上に出ていた抵抗値に近い値です。

ちなみにハンドルにあるマルチインフォメーションディスプレイの切替スイッチも、同じ方式の抵抗による電流値の違いを利用した切り替えになっている様です。

コネクターの型式

増設するスイッチの各信号線などは、この車両のSIドライブ・DCCDスイッチ配線から分岐する事になります。車両側の配線(コネクターで外した車両側)で分岐しても同じですが、車両側配線にあまり傷は付けたくないですし、車内での作業も面倒です。車両とスイッチを繋ぐコネクターの型式が分かれば、オスメスのコネクターとピンを購入して、中継として間に繋ぐ方法もあります。

初めはナビやオーディオ用の変換コネクターなどで、同じコネクターを使用している物があればそれを購入して利用しようと思いましたが、発売されている中ではどの10ピンコネクターとも異なる様子で、詳細が分かりませんでした。実際にコネクターに刻印された文字から調べてみます。

・・・昔は肉眼でも見えた気がするのですが。苦肉の策でマジックで表面を塗ります。すると「矢崎」のロゴマークと反対側に「SDL 10P M」と見えました。矢崎のSDLというとこちらになる様です。分類上は070型(端子幅0.07インチ)となっていて、ノギスでオスピンの幅を測ってみた所、1.83mm(≒0.07インチ)で確かにその通りでした。

型式としては「7122-8307(オス)」と「7123-8307(メス)」の様ですが、ピンはありましたがコネクター(ハウジング)を単品で購入出来るショップ等が見つかりませんでした。仕方が無いのでケーブルを途中で切断して、入手しやすいコネクターを使って分岐出来る様にしようと思います。

次回の予定

SIドライブ・DCCDスイッチの仕様が分かったので、増設するスイッチの選定や抵抗を含めた回路などを考えます。またスイッチを取り付ける為の箱は、3Dプリンターで作成するつもりです。

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