WRX 遅延タイマーリレーを使用する(SIドライブ変更・ハザードスイッチ等)

2020年8月17日Ad,動画,社外部品・DIY

私の車両(WRX VAB-A型)では現在、SIドライブのモード変更スイッチやハザードスイッチを増設していて、ハンドル右側の元々キーシリンダーがあったカバー部分に、箱を作って設置しています。この箱にはその他にクラッチスタートスイッチに割り込ませたキースイッチ等も一緒に付けています。

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注記

この記事の内容は実際に私が行った上で書いていますが、その内容や各製品の型式、仕様、構造などを保証する事は出来ません。同様あるいは類似の内容を行う際には実際の車両や製品等を確認し、自己責任と自己判断の下で行って下さい。

増設スイッチ類

上記記事では最初に四角い箱を作ってセンターコンソール横に付けていますが、最終形としては下記の様な形になっています。私の車両ではSIドライブのデフォルトは「S」ですが、いつも「I」で走行しているので、エンジン始動時に赤いボタンを押して「I」に変えています(モード選択はトグルスイッチで常に「I」になっている)。エンジンスタートスイッチのすぐ近くなので、車両標準の切替スイッチよりも押し易いです。

ただしやはり押し忘れる事が度々あるので、今回は遅延リレーを使用したエンジン始動時のSIドライブのモード変更機能を考えてみます。

SIドライブのモード変更のしくみ

SIドライブのモード変更は単純で、SIドライブの信号線を1度スイッチでONにするだけです。ただし各モードの内、S#は3.67kΩ、Iは1kΩの抵抗を通過しています(Sは抵抗無し)。詳しくはこれまでのSIドライブのスイッチ増設記事を見て下さい。

SIドライブのスイッチ増設関連記事(この記事も含む)

エンジン始動時に自動でSIドライブのモードを変更するには、SIドライブの信号線に希望のモードに対する抵抗を付けた上で、スイッチの代わりにリレーを使用して、イグニッション電源のONで1度だけリレーをONさせれば良い事になります(その他条件はありますが)。

SIドライブオート化キット

SIドライブのモードを自動で変更する後付けのキットは、既に幾つか製品が出ています。エンジン始動時に切り替えたり、アクセル開度によっても切り替える事が可能な製品もあります。

個人的にもOBD2からアクセル開度の情報を得て、SIドライブのモードを切り替える仕組みを試してみましたが(上記関連記事内参照)、自分にはあまり必要は無く、何よりモードが切り替わる際のピコピコ音がとても煩わしいと感じました。従って必要な機能はあくまでエンジン始動時に1度だけ切り替えるという部分なのですが、この為だけに製品を利用するのは価格的にもオーバースペックです。

そこで今回は「遅延リレー」を使用してみる事にしました。遅延リレーとは電源やトリガー信号のONから任意の時間だけ遅れてリレーがONする物です。遅延時間の調整は単純なボリューム式だったり、押しボタンからLCDパネル上で設定出来る物などがあるので、両方購入してみました。

多機能リレー「XY-LJ02」

いつもの通り同じ形状でも様々なブランドから発売されていますが、私がAmazonから購入した製品には「XY-LJ02」との型式らしき印刷があります。製品に説明書は添付されておらず、Amazonの購入ページに多少の説明があるのみです。

このリレーは電源としてDC6V~30VまでとmicroUSBで5V電源にも対応しています。リレーの接点側はAC250V・DC30Vまでのそれぞれで10Aまで制御出来る事になっています。動作モードはP1~P7の7種類、トリガー信号はDC24V~3VのハイレベルとDC2V~0Vのローレベルの2種類で可能なので、ローレベル側をGNDに短絡しておけば、電源ONと同時にトリガー信号ONにも出来ます。

設定モード

電源を供給してSETボタンを長押しすると設定モードになります。ただしLCDパネルに「SET」が表示されるまでではなく、SETボタンを2、3秒押して離すと「SET」の表示と「P1(あるいはP2~P7)」が点滅して設定モードになります。この状態でUP・DOWNボタンでP1~P7の動作モードを選択し、再度SETボタンを押して確定します。

動作モードを確定すると、次に「OP(あるいはCL、LP)」が点滅して、動作に関わる時間の設定になります。時間設定もUP・DOWNボタンで数値を変更してSETボタンで確定します。動作モードによってはOPのみだったり、CLやLPもある場合があり、SETボタンで次の項目に移行します。全てを設定したら再びSETボタンを長押しして、設定モードを終了します。設定モード以外でSETボタンを短く押した場合は、現在のモードでのOPやCL、LPの設定内容が確認出来ます。

※各モードの詳細は以降に書きます。

リレー動作のON/OFF

STOPボタンはリレー動作のON/OFFを切り替えます。OFF時は「OUT」が点滅します。OFFでもトリガー信号をONにするとLCDパネル上での動作は始まりますが、リレー自体はON/OFFしません。またリレーがONとなってからSTOPボタンを押すとその時点でリレーもOFFとなります。逆に再度STOPボタンでリレーをONにすると、その時の動作モードによるON/OFF状態に従って実際のリレーもONになるので注意が必要です。

スリープ機能

STOPボタンは長押しするとLCDパネル下段に「L-P」と表示され、上段にONまたはOFFと表示されます。しばらくすると元の表示に戻りますが、長押しを改めて行う事でON/OFFが切り替わります。

ONにするとスリープ機能が有効となり、動作が行われない状態が続く(約10分?)とLCDパネルが消灯します。ただしLCDパネルが消灯状態でトリガー信号をONにしても、再びLCDパネルは点灯しませんでした。何かボタンを押すと点灯しました。

各動作モード

以下より各動作モードの内容を書きますが、確認不足や間違い、または製品(ロット等)によっても異なる内容があるかもしれません。各モードの題名カッコ内は、そのモードで設定する項目です。

P1(OP)

トリガーON直後からリレーがONとなり、設定時間(OP)後にOFF。動作中に再度トリガーをONにしても、動作が中断したり設定時間がリセットされる事は無い。

P2(OP)

リレー動作はP1と同様。ただし動作中に再度トリガーをONにすると、設定時間がリセットされて改めて時間の経過が開始される。その間リレーは引き続いてON(継続)となっている。

P3(OP)

リレー動作はP1と同様。ただし動作中に再度トリガーをONにすると、動作が中断してリレーもOFF(キャンセル)となる。

P4(OP・CL)

トリガーをONにすると設定時間(CL)後にリレーがONする。さらに設定時間(OP)後にリレーはOFFとなる。動作中に再度トリガーをONにしても、動作が中断したり設定時間がリセットされる事は無い。

P5(OP・CL・LP)

トリガーON直後からリレーがONとなり、設定時間(OP)後にOFF。さらに設定時間(CL)後に再びリレーがONとなる。これを設定回数(LP)だけ繰り返し行う。ON(OP時間)→OFF(CL時間)を繰り返す(LP回数)。LPは0(LCD表示では「----」)にする事で、無限の繰り返しになる。動作中に再度トリガーをONにすると、動作が中断してリレーもOFFとなる。

動作中はOPの時間、CLの時間が順次LCDパネルに表示されるが、LPの回数を確認する場合は動作中にDOWNボタンを押す事で可能。

P6(OP・CL・LP)

リレー動作はP5と同様。ただしトリガー信号は使用せず、電源ONから動作が開始される。動作中にトリガーをONにしても、動作が中断したり設定時間がリセットされる事は無い。動作を停止させる場合は電源のOFF。

P5の場合もローレベルトリガーをGNDに短絡しておけば電源ONと同時に動作が開始されるので、P6の機能はP5でカバー出来ると思います。

P7(OP)

トリガーをONにするとリレーがONとなる。トリガーON中はリレーONの状態が続き、トリガーをOFFにすると設定時間(OP)後にリレーがOFFとなる(OFFディレイタイマー)。

動作中に再度トリガーをONにすると、設定時間がリセットされて改めて時間の経過が開始される。その間リレーは引き続いてONとなっている。

使用出来そうな動作モード

SIドライブのモード変更

車両でSIドライブのモードを変更するには、エンジンを始動してから一定時間後にスイッチ(リレー)を1回ONにします。従って動作モードは「P4」が適していると思います。トリガー信号は使用しないのでローレベルトリガーをGNDに短絡しておき、エンジン始動後にONとなるイグニッション電源を供給する事で自動で切り替える事が可能になります。

配線は上記の様な形になると思いますが、ローレベルのトリガー信号配線は切替スイッチ式にすると自動切替の有効無効選択、SIドライブの信号線もスイッチで切り替えてS#(3.67kΩ)とI(1kΩ)を選択する事も出来ます。抵抗は3.67kΩが中途半端なので複数個を組み合わせますが、1kΩは必ず通過させて+2.67kΩ=3.67kΩの方が無駄が無いかもしれません。

サンキューハザード

ハザードスイッチを増設する方法で配線を分岐させ、そのON/OFFを遅延リレーで制御します。増設スイッチはトリガー信号に使用する事で、1プッシュで任意時間だけONとする事が出来ます。動作モードとしては「P7」が適しているでしょうか。P7であればスイッチを押している間はリレー(ハザード)もON、さらにスイッチを離してから任意時間だけONしています。

遅延リレー「NE555」

こちらは「NE555」という型式が付いていますが、実際には製品固有の型式では無い様子です(タイマーICの型式?)。こちらも同じ形状で様々なブランドから発売されていますが、私は上記の3個セットで約600円の物を購入しました。

基盤には「HW-010」との文字があり、これが型式でしょうか。Amazonでは同じ形状でも基盤にある文字は異なっていたりもします。電源はDC12Vのみで、電源が入ってからリレーが動作するまでの時間をボリュームで調整します。設定時間は0~10秒となっていますが、ボリューム式なので正確な時間に合わせる事は出来ません。リレーの接点は先のリレーと同じですが、実際に届いた製品ではAC125V・DC28Vで「12A」までのリレーになっていました。

多機能リレーとは異なり電気部品だけで制御しているので、利用出来る機能は電源ONからリレーがONするまでの遅延時間だけです。また時間調整のボリュームはグルグルと回転し、回転角度に対して時間割合が一定ではありません。

多機能ではありませんがこのリレーを複数個使用することで、SIドライブのモード変更やサンキューハザードの制御として使用出来ます。

SIドライブのモード変更

リレーを2個使います。制御する信号線はリレー1側はA接点(常時OFF)、リレー2側はB接点(常時ON)側を通る様に直列で繋ぎます。遅延時間は「リレー2>リレー1」で先にリレー1がONすると信号線が通電し、次にリレー2がONすると信号線は再び切断します。電源は同時にONとなるので、リレー1で信号線ONまでの時間(ONディレイ)、リレー2で信号線のON時間の調整が可能です。欠点として信号線のON/OFFを行った後も、リレーに電源が供給され続ける事です(リレーがONのまま)。

サンキューハザード

リレーを3個使います。リレー1手前の「ハザードSW」を1回押すと各リレー同時に電源が供給されますが、リレー1の接点をハザードSWに並列に繋ぐ事で、ハザードSWを離しても押され続けている状態を保ちます(保持を掛ける)。

次に遅延時間を設けたリレー2のB接点をリレー1の電源に入れる事で、遅延時間の経過後にリレー1の電源が切れます。リレー1の電源が切れるのでリレー1の接点も切れ、リレー2とリレー3の電源も切れます(リレー3は単純にハザード信号制御用)。これでハザードSWを1回押した時にリレー2の遅延時間だけハザード信号がONします。

またハザードSWを押し続けた場合、リレー2がONとなってリレー1の電源が切れても、ハザードSWによってリレー2と3は通電が続きます。従ってハザードSWを押している間はハザード信号もONになっています。ただし最低リレー2がONするまではハザード信号もONです。ハザードSWを押している間だけにするには、リレー1の接点にスイッチ(有効/無効)を入れて、ハザードSWの押され続ける状態を無くします(保持を掛けない)。

こちらの方法ではリレー電源の供給が続く事もなく、SIドライブのモード変更にも使えますが、配線が複雑な上にリレーが3つも必要なので現実的ではありません。

・・・昔の機械(FA機器等)はこの様なリレーで電気回路を組んでいました。今ではPLCが当たり前ですが、プログラムの考え方は変わっていません(ラダー方式)。

車両電源の注意点

車両電源は一般的に12Vですが、バッテリーの状態やオルタネーターの発電によって変動するので、リレー用にイグニッション電源を利用するのは不安があります。今回使用した多機能リレー「XY-LJ02」では入力電源はDC6~30Vなので問題はありませんが、遅延リレー「NE555」はDC12Vのみなので車両電源では動作しなかったり、最悪故障する可能性があります。

またUSB電源を利用すれば安定した5Vが利用出来ますが、車両に備わっているUSB電源はアクセサリー電源なので、エンジンを始動しない場合でもリレーが動作してしまいます。今回の場合は単にSIドライブのモードが変わらないだけですが、気になる様であれば車両での増設用USB電源ポートをイグニッション電源に繋ぐ方法があります。

さて、SIドライブのモード変更については当初、多機能リレー「XY-LJ02」を使用しようと思っていましたが、想像以上に大きさがある事や、多機能なので単純なON-OFFだけでは勿体ない気がしてきました。遅延リレー「NE555」では動作後もリレー電源がONのままなので、寿命の意味でも気分がよくありません。

そこでさらに別のリレーを使用する事にしましたが、記事が長くなってしまったので別記事として新たに書く事にします。 →書きました。

動画

多機能リレー「XY-LJ02」と遅延リレー「NE555」の様子を、先の「別のリレー」でSIドライブの変更を行ってみた動画の最後に掲載しています。動画はその最後の部分から再生されます。