WRX SONY HDR-AS100Vの自作マウント部品とその他の部品
現在、車載動画の撮影用として使用しているカメラはSONYのFDR-X3000をメインとしていますが、サブとしてHDR-AS100Vも使用しています。AS100Vは2014年に発売になった機種なので、現在ではかなり見劣りするスペックや画質ですが、動画を編集してYouTubeにアップする程度であればまだまだ十分使えると思っています。ただしカメラのマウントに関しては、特に外部マイクを利用する場合には難点があります。
HDR-AS100Vのマウント方法
AS100V本体にはマウント用のカメラネジ(1/4インチ)は無く、本体底面に「カメラネジが付いたアダプター部品」を取り付ける為のネジ(M4)があります。また外部マイク端子や給電の為のUSB端子も本体底面にあり、「カメラネジが付いたアダプター」を取り付けてしまうと、外部マイク端子側は塞がってしまい利用出来ません。
これを回避するために、アクセサリーとして「スケルトンフレーム(AKA-SF1)」が販売されていました(上記)。これを使用すればカメラネジでのマウントと同時に外部マイクやUSB給電も利用出来ますが、これも色々難点がありました。1つ目はカメラネジが付いたパーツが別部品なのでガタつきがある事、2つ目にマウントの仕方によってカメラの液晶や操作ボタンが裏側になってしまう事です。1つ目についてはフレーム内にテープを貼ったりして対応していましたが、2つ目については操作や確認の為に一度フレームからカメラを外すしか方法がなく、加えて外部マイクやUSB給電を行っていると、そのケーブルもあってかなりのストレスになっていました。結局は面倒なので、撮影自体を諦める事も・・・。
ちなみにメインで使用しているX3000の方は本体底面にカメラネジがあり、また各種端子類も背面(レンズとは反対側)にあるので、マウントに関しては問題ありません。
マウント部品を作る
AS100Vについては、以前NDフィルターを付ける部品を3Dプリンターで作成しましたが、今回はスケルトンフレームを使用せずに直接マウント出来る部品を作成する事にしました。外部マイクやUSB給電も同時に利用出来る事が条件、かつNDフィルター用の部品も引き続き付けられる様にします。
少し悩みましたが上記の様な部品を考えました。AS100Vの本体底面は、全面ほぼ各種端子類のフタになっているのでマウントの為の部品が付けられません。唯一M4のネジがある位置が利用出来る範囲かと思います。
実際に3Dプリンターで作成してAS100Vに付けてみると、上記の様な形になります。接続は他のアクションカムパーツの取り付けと同じにしてあります。AS100Vが上下逆になってしまいましたが、フリップ機能で上下反転させれば問題ありません。各種端子類は上から出る形になります。
操作ボタンの片方がちょっと隠れてしまいましたが、考慮していませんでした。ただボタンを押せる様にすると、強度的に心配なのでこのままにします。設定やメニュー項目はループするので、片側のボタンだけでも操作は可能です。作成したパーツを他のアクションカムパーツと接続して固定すると、AS100Vも締め込まれて外れなくなりますが、念の為にカメラ本体のM4ネジで抜け落ちを防止します(ちょうど良い長さのネジが無かった・・・)。M4ネジの深さは約5mmです。
3Dプリンターで作成すると、どうしても熱で膨張して寸法がズレるので経験や予測に加え、何度か実際に作成して合わせてみないと結果が分からないのですが、今回は2回目でAS100Vにピッタリと合う形に出来ました。これまで作成してきた部品の中では、非常に満足度の高い部品です。
AS100Vの後継となるAS200VやAS30V、AS15も同じスケルトンフレームが使用出来る様ですが、AS30VとAS15は底面にM4ネジが無かったり、微妙に底面形状も異なる(わずかなフラット面が無い)様です。
その他のマウント部品
カメラのマウント部品に関しては、これまでも色々と3Dプリンターで作成していました。実際は作成して1度使ってみただけという部品も多いのですが、個人的に満足度が高かった部品を書いてみます。
吸盤マウント
ホームセンターで吸盤を購入しました。当初はマウント用途では無かったのですが、真空度を上げる為の締め込み用のネジサイズが、たまたま1/4インチネジでした。これはマウントに使えそうという事で自由雲台を付けてみたりしましたがロックネジがありません。吸盤に付属している、真空度を上げる為の黒い部品を一旦締め込んで、その後に少し緩める方向で自由雲台をロックする方法で使用しましたが、吸盤の取り外しに手間がとても掛かってしまいます。
そこで上記の部品を作成して、吸盤に付属している黒い部品とネジ止めし、締め込んで吸盤の真空度を上げた状態のままマウントも可能になる様にしました。吸盤の耐荷重が8kgもあるので、かなり強固に固定出来ます。吸盤自体は1つ328円でした。
ネックマウント
頭にカメラを付けてPOV(視点ショット)映像を取る事もありますが、最近ではもっと簡単に首からカメラをさげて撮影する為のパーツも販売されています。POVほど自分の視点に合わせた動きは撮影できませんが、カメラを頭に付ける事は結構大変だったり、他人からの視線も気になってしまいます。ネックマウントだと気軽に、またそれほど他人からの視線は気にならなくなります(カメラにもよりますが)。
私も試してみようかと購入を考えた時に、「作った方が早くない?」と思って適当に図面を描き、3Dプリンターで作成してみたところ、思いの外ちゃんとした物が出来ました。ネックマウントでもカメラはあまりブレたりもしない感じです。ただし車載動画での利用では視点が低すぎるので、実際の撮影にはまだ至っていません。
材質はPETGなので弾力性があり、アーム部分は大きく広がります。
アクションカムパーツ用締め付けボルト
色々マウント部品を作成していると、各部品を接続、固定する為のボルトとナットが足りなくなります。このボルトとナットはM5で、ボルトのネジ長さは35mm。従ってホームセンターでボルトとナットを購入し、ノブ部分を3Dプリンターで作成しました。ボルトは1本30円、ナットは1個12円(共にステンレス)。本来は袋ナットですが通常のナットでも何ら問題はありません。
アーム用ツメ変換アダプター
アクションカムパーツのアームはベース側が3つ爪、カメラ側が2つ爪になっていますが、まれに3つ爪や2つ爪同士で接続したい場合があります。標準のパーツでは見当たらなかったのでこれも作りました。ただし90度回転させる構造は3Dプリンターでは作成が難しい(天井の様な張り出し構造のプリント)です。
ヘッドレスト支柱用ホルダー
車載動画でカメラを助手席のヘッドレスト支柱に取り付ける為の部品です。この部品を固定する為のボルトとナットは他の物とは異なり、ノブ側にナットが圧入されています。従ってこちらは他部品から流用しています。ホルダーを支柱にはめ込んで、反対側からボルトとノブ(ナット)をミゾにはめて締め込みます。
その他
3Dプリンターがあるとアクションカムパーツは気軽に作成できます。製品の付属品やアクセサリー製品では、なかなか自分好みに対応させることが難しい事もあるので、ついつい色々と作ってしまいます。また買って失敗するよりも作って失敗した方がダメージも少なく済みます。
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