WRX 3Dプリンターでウイングスタビライザーを作る その7 再検討と再作成
ウイングスタビライザーに関しては、2019年になって最初の記事になります。昨年の最後に書いた記事では、「正式」としたつもりのリアウイング下面の部品が材質をPETGに変更した為、想像以上に反りの影響が出てしまい部品構成の変更を余儀なくされました。また全体的な形状も合わせて変更しました。今回は構成を変えて作成した部品を、また改めて実際の車両で合わせてみた所からです。
3部品を合わせる
前回、リアウイング下面の部品が反りの為に合わなくなってしまった点については、プリントは部品を寝かせて行う事とし、さらに厚み方向で3つの部品に分ける事にしました。さらに厚み方向での反りを軽減させる為、両サイドの部品(上記図中1,3)の一方はスライスソフトで表裏を反転してプリントします。
上記が実際に作成した3部品を重ねた状態です。仮にクリップで固定しています。反りは各部品単体だとやはり部品の両端で1~2mm程浮き上がっていますが、表裏を反転してプリントして重ねる事でかなり軽減出来ています。ただし中心の部品(先の図面中2)も反りがあるので、均等には打ち消しあっておらず反りは少し残ります。これを車両リアウイングに合わせてみます。
反りの方向が変わったので、曲線部分の誤差はかなり改善されました。片側から見てなかなか良さそうと思ったのですが(上記上側)、反対側がいまいち合いません(上記下側)。取り付けは両面テープでの固定となるので、3つの部品を合わせた幅(厚み)は10mmにしていますが、リアウイング下面はこの幅方向にも傾斜が僅かに付いていて、10mmもあるとさすがに差が出てしまいます。このまま両面テープを貼っても固定は出来そうですが、ここまでやって中途半端も腑に落ちない気がします。
4部品を合わせる+傾斜を付ける
3部品をリアウイング下面に合わせた時に、留めていたクリップを外してそれぞれの部品がリアウイング下面に当たる様に位置をずらし、その形で再度クリップで留めて持ち帰りました(上記)。最初にリアウイング下面の形状を型取りケージで合わせた方法と同じです。
その形で3部品の高さのズレをノギスで測定し、厚み方向にも傾斜を付ける事にしました。またこの際に中心の部品も半分に分けて4部品とし、内側の2部品と外側の2部品で互いに表裏でプリントし、反りが均等になる様にもします。
まずは2D-CADで曲線部分を変更してみますが、リアウイングの前方と後方で傾斜の角度が異なるので、曲線部分を捻りながら傾斜を付けるという何とも面倒な形状になってしまいました。2D-CADでは表現に限界がありますが、3D-CADで立体化すると下記の様になります。
3D-CADでもこの形状に立体化するにはどうしたら良いのか方法が分かりませんでした。色々試した結果、部品の厚み方向で上面と下面のスケッチをそれぞれ描き、上面のスケッチを厚み分だけオフセットして「ロフト」機能を使用する事で立体化出来ました(上記中間、下側)。
上記が4部品をプリントして合わせた状態です。イメージ通りに曲線部分に傾斜を付ける事が出来ましたが、4部品それぞれに異なる傾斜を付けているので図面化がとても大変でした。さらにその傾斜も実際には想像による部分が大きく、苦労した割にはリアウイング下面との形状とも合わないかもしれません。
改めて車両で実際に合わせてみると先端部に若干すき間が見えますが、驚くほどしっかりとフィットしています。「面」として合っているので部品下部も左右に振れる事がなく、見た目もほぼ垂直です。ここまで合えばもう上出来です。
現在の状況と予定
4部品化と曲線部分の傾斜でようやくリアウイング下面に合わせる事が出来ました。反りも表裏でプリントする事で軽減出来るので、その他のトランク上面側の部品と中間を繋ぐ部品に関しても、全て厚み方向で半分に分けた上で表裏でプリントする事にしました。とりあえず片側1セットを作成して車両で合わせてみて、良さそうであれば反対側のもう1セットを作成する予定です。
各部品類にはネジを通して固定しますが、今回の4部品の様に合わせて1部品となる物(リアウイング下面、中間、トランク上面)はすき間を埋める役割としても接着剤でも接着するつもりです。ただし3Dプリンターで作成したままの部品の表面はかなり荒れているので、先にヤスリなどで整える必要もありますし、最終的にはその荒れやヤスリの跡を隠す為に塗装も必要だと考えています。
・・・しかし、ここまで苦労するほどこだわる理由が自分にも分からなくなってきました。無駄にフィラメントと時間だけを消費しています。
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